謎の日産「すごいキューブ」!? “イナズマ”グリルが超カッコイイ! めちゃ“斬新”な「小型ハイトワゴン」の正体とは
もしも「でんきキューブ」が市販化されていたら「世界は変わっていた」!?
でんきキューブは、インテリアも2代目キューブのイメージを残しながらも、ホワイトやイエローを中心とした色調で明るい雰囲気に。ガラスルーフも装着され、開放感をアップしていました。
目の前に広がるガラスパネルにはオートマチックのシフトボタン(物理式)が置かれているのが斬新で、メーターもデジタル式に。空調ボタンも物理スイッチでしたが、オーディオはタッチパネル式だったようです。
でんきキューブの市販化は行われませんでしたが、翌2009年からは3代目キューブ(Z12型)が北米市場でも発売を開始していますので、キューブの知名度向上に寄与したと思われます。
なお日産では、リーフの先行開発用として同じくキューブ キュービックを改造した「キューブ EVテストカー」を2010年に製作しています。
こちらはでんきキューブほどのコンセプトカー的な加飾は行なっていませんが、フロントグリルにはでんきキューブ譲りの電気のアイコンが刻まれていました。
モーター出力は60Kw(82PS)で、でんきキューブと同じくオートモーティブエナジーサプライによる高性能リチウムイオンバッテリーを積んでいました。
キューブ EVテストカーは実際にメディア関係者などを招いての試乗も実施され、現在は、日産 座間事業所内にある「日産ヘリテージコレクション」にて保存されています。
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2010年ではまったく新しい乗りものといえたEV。その印象を強く付けるため、初代リーフは奇抜にも見えるデザインを持つ、オリジナル車種として誕生しました。
しかしEVの普及が進みつつある現代の視点では、むしろキューブのような親しみやすいコンパクトカーをEVにしたほうが、EVをより身近に感じられたのでは、とも思えます。
「たられば」を述べても仕方ないのですが、でんきキューブが市販されていたら、自動車の歴史は今と少し違っていたのかもしれません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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