「愛車が盗難に遭いました。」 警察推奨“ハンドルロック”でも盗まれるのですか? 今は「ゲームボーイ」で盗む時代… 盗まれない方法はあるのでしょうか?

警察庁が推奨する対策方法…どのくらいの効果があるのか?

 このほか、警察庁が推奨する「タイヤのホイールロック、GPS追跡装置等の盗難防止機器」「カギを金属の箱に入れる」について実際にはどれくらいの防盗効果があるのでしょうか。

 ●タイヤのホイールロック

 タイヤロックも手軽な防盗グッズといえますが、パワーがある車なら装着したまま走り去って外すことが可能です。

 2021年に名古屋市内で盗まれたランクルには有名ブランドの頑丈なタイヤロックがつけてありました。

 この際、防犯カメラの映像には走りながら(タイヤが1回転しただけで)タイヤロックが外れる様子が残されていました。

 ハンドルロック同様、下見の際に「走れば外れるタイプかどうか?」「切断破壊する必要があるか?」なども見分けた上で切断する道具などを用意して犯行に及んでいます。

 ●GPSトラッカーやAirTag(エアタグ)、Tile(タイル)など

 GPSトラッカーとは盗まれたあとにGPSによる位置情報を獲得し盗難されたクルマを追跡する目的で使われます。

 しかし昨今の窃盗犯はジャマーと呼ばれる電波妨害装置を作動させながら盗むケースが多く、位置確認が困難な場合が増えています。

 また、T-Connectなどのメーカー純正のGPSはユニットの位置や配線などが窃盗犯に解析されており、最初に破壊されてしまうため位置確認はできないと思っていいでしょう。

 なお、「紛失防止トラッカー」として人気のAirTagやTileなどもかつては盗難車の追跡に有効でした。

 実際に盗難直後からAirTagで追跡して車両を発見した例もあります。

 しかし、実は2024年5月にアップルとGoogleが共同で声明を発表。

 ストーカー行為などでの悪用を強制的にできなくすることを目的に被害者が盗まれた車両を長時間追跡することはほぼできない仕様に変更されています。

 逆に言えば犯人側がクルマに仕掛けたAirTagも長時間の追跡ができないことになります。

昨今はハンドルロックをつけていて盗まれる例が多発
昨今はハンドルロックをつけていて盗まれる例が多発

 ●鍵を金属ケースに入れる。(※有効なのはリレーアタックのみ)

 CANインベーダーが出る前に猛威をふるっていた「リレーアタック」(スマートキーから出る微弱な電波を増幅させてドアロック解除、エンジン始動)という手口には有効です。

 金属の箱に鍵を入れておけばスマートキーから出ている微弱な電波を遮断する効果があるからです。

 しかし、こちらはあくまでも「リレーアタック」用となり、鍵の有無が関係ないCANインベーダーやGAME BOYにはまったく役立たずです。

 なお近年、リレーアタックの手口は激減していますが、ゼロになったわけではありません。

 旅行先でも帰省先でも油断することなくスマートキーの管理に気を付けてください。

 また、イグラなどのイモビライザー式社外セキュリティを装着している場合は、GAME BOYでの盗難防止にスマートキーを金属ケースに入れておくことも重要です。

【画像】「えっ…!」これがハンドル切断された「ランクル300」です(30枚以上)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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