無灯火自転車はなぜ危険なのか クルマ免許の有無で変わる認識

自転車に乗っていて「無灯火」で警察から警告を受けた人は、年間およそ50万人にも上っています。なぜこれほどまでに違反が多いのでしょうか。運転免許を取った人とそうでない人で、危険性の認識に差があるようです。

ライトを点けるのは自分のためだけではない

 2016年に警察が自転車の取り締まりで「指導警告票」(いわゆるイエローカード)を交付した件数は、およそ158万件です。そのうち「無灯火」の件数は、ふたり乗りや信号無視などよりもはるかに多い約49万件に及んでいます。

夜の道路を走る自転車のイメージ(画像:写真AC)。

 自転車における夜間のライト点灯については、道路交通法第52条で「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。――中略――)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」とされています。自転車の普及促進やマナー啓発についての活動などを行う日本自転車普及協会(東京都品川区)に話を聞きました。

――無灯火の違反件数が多いのはなぜでしょうか?

 取り締まりの主たる要素となっているのでしょう。というのも、無灯火は運転者本人にとって危ないということもありますが、周りが存在を認識しにくいため、クルマや歩行者などほかの交通にとっても危険だからです。

――ライトをつけない人の理由はどういったところでしょうか?

 ひと昔前であれば、発電機のローラーをタイヤの側面に押し合てて点灯させるタイプのライトは、ペダルをこぐのが重くなるからといった理由をよく聞きましたし、また学生さんからは、「ライトをつけるのがなんとなくカッコ悪い」という声もありました。乗っている人からすれば「夜道でも見える」という意識があるのでしょう。これは現在も変わらないと思います。

――最近は改善されているのでしょうか?

 自動で点灯するライトや、ハンドルなどに取り付けるLEDライトも増えてきたので、技術面では改善されてきている印象です。このほか近年、自転車の事故や「自転車保険」がマスコミなどで取りざたされることにより、乗る側の意識も向上してきていると感じます。

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