トヨタ「ランドクルーザー」買うなら「ディーゼル」「ガソリン」どっちがいい? 迷ったらガソリンを選ぶべき理由とは?
人気のトヨタ「ランドクルーザー」ですが、購入時のパワートレイン選びが悩ましい問題です。ディーゼルエンジンかガソリンエンジンかで迷ったら、どちらを選んだほうが良いのでしょうか。
「ディーゼル vs ガソリン」どっちがいい?
トヨタの本格四駆として君臨する「ランドクルーザー」は、2021年に「ランドクルーザー300」、2023年に「ランドクルーザー70」、2024年に「ランドクルーザー250」がデビューしました。
ランドクルーザー300やランドクルーザー250にはパワートレインのバリエーションとしてガソリンエンジンとディーゼルエンジンが用意されています。
一体どちらを選べば良いのでしょうか。
筆者(工藤貴宏)のオススメはディーゼルエンジン。理由は太い低回転トルクを発生するディーゼルエンジンはアクセルを大きく踏み込まなくても力強い加速をするので運転が楽だからです。
ディーゼルは重量級のSUVとの相性が極めて良いエンジンと言えるでしょう。
特に、ガソリンエンジンの排気量が小さめで非力感のある国内仕様のランクル250は、動力性能においてディーゼルエンジンの恩恵を強く実感できるに違いありません。
加えて、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも燃費性能が優れているうえに、使用する軽油は燃料単価も安いからガソリン車と同じ距離を走っても燃料代を安く抑えられます。
ランドクルーザーのように大型のSUVは基本的に燃費が良くないので、これはクルマを所有するうえで大きなメリットとなるはずです。
しかし、別の見方もあります。それは手放すときのリセールバリューまで考えてのパワートレイン選びです。
ランドクルーザーはリセールバリューが良く、その理由のひとつが海外での需要です。
中古車として海外へ輸出される際、人気が高いから高く売れる、つまり手放すときの価値(リセールバリュー=買い取り価格)が高くなるという図式になっているのです。
その際、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとでは価格差が生じます。
たとえばランドクルーザー250の前身である「ランドクルーザープラド」の場合、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが用意されていた前期型や中期型の場合は残価率(新車価格に対する手放す際の買い取り価格の比率)はガソリンエンジンのほうが高くなる傾向でした。
ランドクルーザー250も同じ傾向になると予想されています。
ランドクルーザー300の従来型に相当する「ランドクルーザー200」は国内展開がガソリンエンジンのみだったので過去のデータは存在しません。
しかし、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが選べるランドクルーザー300はランクルプラドと同様の傾向になると考えられます。
いずれも、日本の中古車を輸出する先ではディーゼルよりもガソリン車がより高い人気ゆえに、手放すときの残価率が高くなると考えて良いでしょう。
果たして、海外でガソリン車が好まれる理由はどこにあるのでしょうか。
それは現地で販売されている燃料の問題です。
先進国で販売されているディーゼル車は排出ガス規制に対応するために、使用燃料は質の高い軽油が求められます。もし質の悪い軽油を入れた場合は、エンジンのトラブルにつながります。
しかし日本からランドクルーザーなどの中古車を比較的高値で輸入する中近東などでは、質の高い軽油は入手が難しいのが現状。
つまり日本で販売されているクリーンディーゼルエンジンを積んだ車両は、実質的に現地で走らせるのが難しく、そのため、ディーゼルエンジンの買い取り相場が低くなってしまうというわけなのです。
もしリセールバリューを気にしながらランドクルーザーを選ぶのであれば、ディーゼルエンジンではなくガソリンエンジンを選ぶのが無難でしょう。
とはいえ、本当に幸せなクルマ選びはリセールバリューを気にするのではなく、使い方や好みに応じたパワートレインを積んだ“欲しい仕様”を選ぶことだと筆者は考えます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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