「後席シートベルト」なぜ装着率が低い? 高速道路の渋滞でも外すのはNG! 危険すぎる“非装着”の実態とは
シートベルト装着/非装着で事故時の被害がこんなに違う!
JAFでは、ミニバンの後席に2体のダミー人形を配置し、シートベルト装着/非装着の実験を行った結果を公表しています。
時速55kmのフルラップ前面衝突試験を実施したところ、シートベルトを装着したダミーは座席に拘束された状態だったのに対し、非装着だったダミーは前方に投げ出され、運転席のヘッドレストに頭部を打ち付けただけでなく、前席をも押し潰しました。
埋め込まれたセンサーの数値によると、「HIC(頭部障害基準値)」は2192を記録、あわせて押し潰された運転席のHICも1171を記録したのですが、一般的にHICが2000を超えると死亡や重症につながる致命的な頭部損傷をもたらすとされています。

時速55kmでこの数値なのですから、時速100kmで走行する高速道路で事故にあった場合のリスクは、この倍以上になる可能性もあります。
「あまり堅苦しく『義務化』を叫びたくはないのですが、この実験結果を見るだけでも装着すべきなのはお分かりいただけるかと思います。
これが高速道路上で渋滞に巻き込まれた状態でも、後方から追突された場合、頭部や首への損傷がシートベルトの有無でこれだけ違ってくるのです。
また後部座席でうたた寝をする場合でも、シートベルトで体を固定したほうが安定した姿勢で眠りやすいという説もあります。
妊娠中の女性やよほどの体調不良でない限り、後部座席のシートベルトも装着するのが必然だと認識して欲しいです」(教習所 元指導員 I氏)
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「自分は大丈夫」と甘く考えている人は多そうですが、どんなに気を付けていても、事故の危険性がゼロになることはありません。
事故時の被害にこれだけ差が出るのですから、後部座席にたとえ会社の上司が座ったとしてもシートベルトの装着を徹底してもらうことが大切です。
シートベルトを確実に着用することで、最終的に自分を含めた乗員の未来を守ることにつながるでしょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。



















