車内の「謎の木目」何で出来てる!? ホンモノの木じゃないってマジ!? 知ってるようで知らない「“木目”パネル」の正体とは
ホンモノの「天然木」を用いるケースもある
木目調パネルは、カラーも多彩です。
定番カラーの茶木目のほか、赤木目、黒木目、白木目など様々なタイプがあります。
またウォールナット柄やマホガニー柄、平行した節目の柾目柄などは特に高級感があり人気があります。
最近では最初から木目調パネルを装備しているクルマは減ってきていますが、オプションカタログを見ると、軽自動車や小型車などにもインテリアパネルとして設定されていることも少なくありません。
「ちょっと高級感が足りないなあ」と思った際にはそれらのインテリアパネルを装着してみるのも良いでしょう。
自動車の起源となる「馬車」や、戦前につくられたようなクラシックカーでは、鉄よりも加工がしやすいという理由で、車体の構造部品も含め内外装には木製のパーツが多用されていました。
木目パーツが現在も内装の一部に使われているのは、こうしたクルマの起源から由来している面もあります。
しかし現在の量産車では、木製のパーツはほぼ使われていないのが実状です。
しかし加飾用の木目柄パネルに限っていえば、ホンモノの「天然木」を採用しているモデルもあります。
量産車では、ヤマハがピアノづくりで培った木材加工や塗装の技術を生かし、1960年代後半にトヨタ「2000GT」の本杢パネルを、1980年代後半には初代レクサス「LS」用に加飾パネルを手掛けています。
ヤマハの技術は、最近では3代目となる現行「センチュリー(セダン)」などにも採用されています。
また、家具製造などを手掛ける天童木工(山形県)は、天然木を使用した木目自動車内装部品を1987年からホンダ「レジェンド」に供給していました。
各社とも高い技術力がみとめられたことで、様々な自動車メーカーに採用例があり、内装パネル以外にもステアリングの一部などに採用するケースは今でも高級車の定番となっています。
ちなみに天然木を使った木目パネルといっても、彫刻のように天然木を削り出して無垢(むく)のパネルにするのではありません。
天然木を0.2mm程度に薄くスライスした突板を、アルミや樹脂パーツなどの上に接着する形で作られているのです。
天然木の加工には高い技術力が必要であり、かつ手間もかかるため、高級車の一部でしか採用されていません。
しかし天然木を使うことで、量産車でありながら1台1台違う木目模様となるという個性も生まれます。
つまり高級車というのは、そのようなこだわりも付加価値となるわけです。
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ちょっと珍しい採用例もあります。
マツダ「MX-30」のコンソールパネルの一部には「コルク」が使われています。
コルクはコルク樫の樹皮から作られるもので、コルクを作る際には、木を伐採するのではなく、木の皮を剥いで作ります。約8年から10年ごとに収穫することができるということで、環境にやさしい素材と言われています。
伐材の有効利用に加え、木とCO2が固定化されるという面もあり、木製の高層ビルが建てられるという昨今。単に加飾というだけではなく、難燃加工をした木材が再びクルマに多用される時代がそう遠くない将来、やって来るのかもしれません。
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