マツダが“赤い”新型「和製スポーツカー」実車展示! “市販化”進むロータリーマシン! RX500&RX-EVOLVとの関係は? 白もある「アイコニックSP」とは

ロータリーエンジンの未来を示すコンセプトカー「アイコニックSP」とは

 そして、ロータリーエンジンの未来を示すコンセプトカー「アイコニックSP」は、2023年秋に開催された「ジャパンモビリティショー2023」にて世界初公開されました。

 軽量コンパクト、そして低いシルエットという特徴は、まさにロータリースポーツを体現したものであり、多くの来場者からも熱い視線を集めていました。

 そのスペックは、全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mmのワイド&ローなスタンス。

 特に全高の低さは際立つもので、現行型ロードスターの1245mmやFD型RX-7の1230mmよりも抑えられています。

 また優れた運動性能を実現させるために、前後の重量配分もFD型RX-7やRX-8同様に、50:50とされています。

 最大のポイントであるパワートレインは、2ローターRotary-EVシステムを採用しています。

 これは待望の復活を遂げた発電用ロータリーエンジンを搭載するPHEV「MX-30ロータリーEV」のシステム同様に、ロータリーエンジンで発電し、駆動はモーターで行うというもの。また充電と給電が可能とされています。

 最大の違いは、ロータリーエンジンが、MX-30が1ローターに対して、アイコニックSPが2ローターとなることでしょう。

 ポイントは、発電エンジンの性能強化です。エンジン付きの存在を最大限活用することで、車重を左右するバッテリー容量とのバランスを図り、PHEVとしては軽めの1450kgという車重と370psという高出力化を両立させています。

 ただMX-30とは仕組みは同じでも、搭載のレイアウトは異なります。

 低いシルエットと前後均等とする重量配分を実現するために、MX-30のような横置きの前輪駆動車ではなく、縦置きに配置された後輪駆動車とされています。

 ロータリーエンジンをクルマ中央部に寄せて搭載するフロントミッドシップとすることで、低いボンネットを実現しているのは、歴代RX-7やRX-8と同じ手法です。

 ただ大きく異なるのは、駆動を後輪に伝達するプロペラシャフトを持たず、後輪側にモーターを配置して、駆動力を伝えること。

 このため、レイアウト自由度が高まり、その分、軽量化や重量バランスにも貢献できます。

 RX500とRX-EVOLVという2台が、マツダのロータリー史に多大な貢献を果たしたように、アイコニックSPも大きな功績を遺すモデルになることでしょう。

上段:「RX500」/下段:「RX-EVOLV」
上段:「RX500」/下段:「RX-EVOLV」

 同車の搭載する2ロータリーエンジンは、水素などの様々な燃料を燃やせる高い拡張性を備えるとされるとし、新たな「ロータリー開発グループ」では、カーボンニュートラルな燃料に対応できる発電エンジンとして継続的に進化させることを掲げています。

 新世代ロータリーは、従来とは役目を変えながらも、その小型軽量エンジンである強みを活かした進化を図っていくのです。

 もちろん、その走りとサウンドは、他の電動車とは異なる魅力に溢れていることは間違いありません。ロータリーエンジン付きの電動車「アイコニックSP」は、ロータリーの未来が持続可能なことを示す、クルマ好きに夢と刺激を与える存在なのです。

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Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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