クルマの新燃費表示「WLTCモード」とは 新世界基準はなぜより現実に則しているのか
マツダ「CX-3」のガソリンエンジン搭載車が認可を受けた、新しいクルマの燃費表示基準「WLTCモード」。2018年10月から国内のクルマに表示義務が課されますが、そもそもどういうものなのでしょうか。
そもそも「WLTCモード」とは
マツダが「CX-3」に新設定したガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」搭載車で認可を受けた、新燃費表示の「WLTCモード」。従来の日本国内における燃費表示である「JC08モード燃費」と異なり、4つの「モード燃費」が表示されています。
一見複雑化したようにも思える新燃費表示「WTLCモード」は、なぜ取り入れられることになったのでしょうか。
乗用車には省エネ法に基づき、自動車メーカーとインポーターに燃費の表示が義務付けられています(除外となる輸入車もあり)。かつては国で定めた測定方法の「10・15モード」が用いられていましたが、試験条件が日常走行と解離しており、実際の走行条件に近い「JC08モード」が2011(平成23)年4月より取り入れらました。
このJC08モードにより、確かに従来よりも現実的な数値が示されるようにはなりました。とはいえ依然、表示燃費と実燃費に差があることに変わりはなく、ユーザーの燃費意識が高まるにつれ、より現実的な燃費測定法が求められるようになりました。加えて、「全世界共通の軽量車テストサイクルを策定する」(環境省 自動車排出ガス専門委員会資料53-2)という目的もあり、新たに採用されたのがWLTCモードというわけです。