日産「新型エルグランド」まもなく登場? 15年ぶり“全面刷新”で「アルファード対抗馬」なるか!? 待望の「次期モデル」どうなるのか
2024年3月28日、「エルグランド」の一部仕様変更が発表されました。「インテリジェント・アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」などが標準装備化し、安全性の向上が図られましたが、次期型モデルはまだなのでしょうか。
日産新型「エルグランド」どうなる?
ここへきて、エルグランドがあらためて話題になっています。2024年3月28日、「エルグランド」の一部仕様変更が発表されました。
今回、「インテリジェント・アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」、「ディスプレイ付自動防眩型ルームミラー」を全車に標準装備することで、より安全性の向上を図りました。
一部改良は行われましたが、次期型モデルはまだなのでしょうか。考察します。
1997年5月の誕生から四半世紀あまり、現行の3代目になってからもすでに14年を迎えるエルグランドですが、まずは販売の数字をざっと振り返えってみましょう。
1997年 4万5179台 (28位)
1998年 5万5775台 (16位)
1999年 5万1521台 (12位)
2000年 4万1203台 (19位)
2001年 3万1712台 (30位)
2002年 4万439台 (28位) ※5月 モデルチェンジ
2003年 3万5865台 (28位)
2004年 3万1314台 ※8月 マイナーチェンジ、12月 2500cc追加
2005年 4万2823 台(27位)
2006年 2万2872台
2007年 1万8328台
2008年 1万5807台
2009年 7059台
2010年 2万45台 ※8月 モデルチェンジ
2011年 1万7673台
2012年 1万7366台
2013年 1万775台
2014年 1万987台
2015年 7909台
2016年 6987台
2017年 8162台
2018年 7313台
2019年 6729台
2020年 3652台
2021年 3513台
2022年 2214台
2023年 2255台
登場当初の勢いは相当なものだったことがあらためてうかがえ、有力のライバルが不在だった初代はその勢いのままモデルライフをまっとうしました。
つづく2代目は、先進的な内外装デザインになり、さらに人気が出そうに思ったものですが、わずか1日違いのタイミングでトヨタが送り込んだ強力な刺客「初代アルファード」にしてやられました。
両車の発売当初の販売は拮抗していたように記憶していますが、ほどなく徐々に差が開いていき、やがて大きく水を開けられてしまいます。
その要因のひとつが、価格の安い小排気量モデルの有無です。乗り比べると、やはりこのクラスは大排気量のV6のほうが相応しく、後輪駆動のほうがバランスがよいので、個人的にはエルグランドに軍配を上げていましたが、ユーザーの目はそうではありませんでした。やはりこのクラスでも価格は大事です。
そこで日産もエルグランドに2.5リッター車を追加しました。しかもライバルが4気筒だったのに対し、エルグランドは6気筒です。乗ると6気筒らしい重厚なサウンドはやはり美味でしたが、走りは線が細く、燃費も3.5リッター車と大差ありませんでした。せっかくの2.5リッターでしたが、すでにデビュー後2年以上が経過しており、やや遅きに失した感はあります。
続く3代目では方向性をかなり変えて、FF(前輪駆動)化しワンステップフロアとして車高を下げました。リアサスペンションを独立懸架としたあたりにも走りへのこだわりが感じられたものです。開発責任者がFWD低床化によるデメリットはまったくないと断言していたことを思い出します。
ところが、ライバルはやはり手強かったのはいなめません。高価なクルマにもかかわらず、販売上位の常連にのぼりつめたのはご存じのとおりです。
ライバルが2008年以降も2015年と2023年にモデルチェンジしたのに対し、エルグランドは現行型になった2010年からだいぶ時間が経過しても、なかなか次期型の有力な情報は聞こえてきませんでした。
そんな中で、次期型に関して、日産の「エクストレイル」と三菱の「アウトランダー」がそうだったように、提携関係にある三菱との間で基本設計を共同開発するのではという見方が有力になっています。
2023年秋のジャパンモビリティショーで披露された「ハイパーツアラー」は、車格的にいかにもエルグランドの次期型と見て間違いなさそうです。
全固体電池を搭載したプレミアムEVミニバンであり、独自の電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載し、優れた操縦安定性と快適な長距離移動が期待できる旨が伝えられていました。
一方で三菱もまた、コンセプトカー「D:X コンセプト」を出展しました。SUVテイストをわかりやすく表現されていて、EVではなくPHEVとされていましたが、ボディサイズは近い関係にあることが見て取れます。
これは偶然ではないでしょう。ちょうど日産と三菱の軽ハイトワゴンで、日産はサクラやルークスで上質さを表現し、三菱はeKクロスやデリカミニでSUVテイスト表現したように、次期エルグランドと次期デリカは、内容的にはそれぞれ両社の強みを活かしたものとなるでしょうけれど、プラットフォームを共用する可能性が高そうです。
エルグランドと同じように、三菱のデリカD:5もだいぶ時間が経過しており、この考えには説得力があります。
さらに、3月25日に新たな経営計画が発表され、2024年度から2026年度にかけおよそ3年間で30車種の新型車が投入される中に、次期エルグランドと思われるLクラスミニバンの姿もあったことが話題となっています。
その姿は堂々としていて高級感で流麗なもので、ネットでの評価も上々です。ボディサイズは全長約5m、全幅と全高は1.9m程度と予想され、ホイールベースは3mに達する見込みです。
気になるパワートレインは、全固体電池を搭載したEVを実現させるのはまだ時期尚早と思われ、ハイブリッドシステム「e-POWER」がメインもしくは専用となり、発電用エンジンは車両重量にあわせてエクストレイルと同じ1.5リッター3気筒VCターボの発展版となる可能性が高いでしょう。
システム出力は340ps程度で、駆動方式はFWDと前後にモーターを搭載した4WDが選べ、4WDには日産独自の4WDシステム「e-4ORCE」が採用されることも予想されます。
3気筒のエンジンサウンドがエルグランドに相応しいかどうかが気になるところですが、かなり静かで燃費も性能も優れていることは、エクストレイルですでに証明されています。
宿命のライバルは見た目の高級感がすばらしく走りが快適で装備も充実していますが、次期エルグランドに求められるのは、もちろんLクラスミニバンとしての高級感や快適性はもちろんとして、ライバルにはないもの、より日産ならではの魅力ではないかと思います。
それは、スタイリッシュなデザインやよりスポーティな走りのテイスト、より進化したプロパイロット等やインフォテイメント系など、日産の強みを活かしたプラスアルファです。
かつてはいろいろなクラスで日産とトヨタはガチンコでしのぎをけずり、そこにホンダが割って入ってきたりしていましたが、いつのまにかどのカテゴリーもトヨタの寡占化が進んでいきました。
Lクラスミニバンもまさにそうで、それはもちろんトヨタの実力あっての話ですが、ライバルが強いからこそ、日産にもそのライバルを超える何かを見せて欲しいところです。
登場時期は2025年~2026年、車両価格は600万〜800万円と予想されます。はたしてどんな魅力的なミニバンが出てくるのか、期待して待つことにしましょう。
オラオラ系のカバ顔から脱カバ顔になっていいね。カバ顔がいいってい業界の常識に違和感しかなかったから。