加速スゴすぎ! BEVやハイブリッド車の「スタートダッシュ」なぜ速い? 一気に爆速で走れるワケとは

BEVは2種類のバッテリーを搭載している!?

 それでもBEVやハイブリッドにとってバッテリーは生命線です。

 エンジン搭載車はスタートこそバッテリーの電力を必要とするものの、エンジンが始動してしまえば、オルタネーターも搭載されているので何とかなります。

 たとえバッテリーが上がっても、始動に必要な電力をジャンプブースターなどで補えば走らせることができます。

怒涛の加速が楽しめるバッテリーEV(アリアNISMO)
怒涛の加速が楽しめるバッテリーEV(アリアNISMO)

 しかし、その後も電力を必要とするBEVは一定量まで蓄電しない限り「電欠状態」となり、まったく動けなくなることもあります。

 中古BEVを取り扱う販売店スタッフのM氏に話を聞いてみました。

「そこがBEVの弱点です。しかも数年前に生産されたBEVの場合は、長距離用ではなく航続可能距離が短い(蓄電量が少ない)メインバッテリーを搭載することが多いので、電欠には注意が必要です。

 出かける前に充電スポットをチェックしておくなど、電力を継ぎ足せる場所を考慮して走行する必要があるでしょう」

 しかし中古BEVの場合は、駆動用のメインバッテリーよりも、実は電装系などを動かす「補機バッテリー」の状態のほうが重要だとM氏は言います。

「BEVやハイブリッド車には、エンジン搭載車と同様の12Vバッテリーが搭載されており、車内装備やエアコン、ヘッドライト、ナビなどの電装系を作動させます。

 通常はリアシート下など非常に目立たない場所に配置されていたりするので忘れがちですが、補機バッテリーが劣化してバッテリー上がりになってしまうと、そもそもスタートすらできなくなってしまうのです」(中古BEV販売店のスタッフ M氏)

 実際、BEVが故障したかと思ったら補機バッテリーが上がっていたというケースが多いといいます。

 中古BEVやハイブリッド車を購入する場合、その車両が何年落ちなのか、メインバッテリーの交換がされているかどうかを確認するとともに、補機バッテリーを新品に交換すると良いでしょう。

※ ※ ※

 BEVのスタートダッシュ、エンジンとは違うモーター特有の加速感は、ガソリン車では味わえない異次元ともいえるもので、非常に面白いと思います。

 未経験という人は、ぜひともBEVやハイブリッド車の試乗などで、安全に配慮したうえでスタートダッシュを体験してみてはいかがでしょうか。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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