浦和~野田の「まっすぐ4車線道路」いつ完成? 「越谷野田線」バイパス進行中も立ちはだかる「最後の難所」とは

浦和~野田の「まっすぐ4車線道路」いつ完成? 「越谷野田線」バイパス進行中も立ちはだかる「最後の難所」とは

東西主要道路に乏しい「埼玉県東部」

 埼玉県東部の「東西軸」はまだ貧弱で、大宮・浦和方面から越谷・野田・柏方面へまっすぐつなぐルートは、圏央道と国道16号くらいしかありません。そのほかは、生活道路を右左折して行くことになります。
 
 そんな広大な「東西道路空白地帯」に整備中なのが、浦和と野田をむすぶ「越谷浦和バイパス」とその延長線上の県道「越谷野田線」です。
 
 完成すればどう便利になるのでしょうか。また、どこまで工事は進んでいるのでしょうか。

2001年に全通した越谷浦和バイパス(画像:埼玉県)。
2001年に全通した越谷浦和バイパス(画像:埼玉県)。

 浦和~越谷の大動脈となる「越谷浦和バイパス」は、2001年に全線開通。それまで蛇行した生活道路しかなかった両エリアに、悲願の4車線道路が完成しました。

 しかしそこから東側、北越谷・松伏・野田へは依然として、生活道路を抜けていくしかありません。国道4号に出て北へ迂回するか、北越谷駅を回り込んで越谷野田線の現道をクネクネと進むルートになりますが、花田交差点や野田橋など、渋滞多発のボトルネックが待ち構えています。

 そこにまっすぐ野田市内へつなぐ4車線道路となるのが、越谷野田線バイパスです。

 ルートは、文字どおり越谷浦和バイパスからまっすぐ東北東へ伸び、北越谷駅の北側を抜けて、そのまま野田橋の手前までつながるものです。全通すれば、いよいよ浦和中心街から松伏町内まで「右左折ゼロ」になります。

 気になる進捗ですが、最初の北越谷駅を超える区間は、2022年にやっと事業化したばかり。元荒川をまたぐ短い橋を含む1.3kmの区間で、ひとまずは用地取得の完了を待つ段階です。

 東武の高架下から東側、松伏町境の古利根川の手前までの2.5kmは、すでに立派な4車線道路が開通済み。越谷市民にとって貴重な東西軸となっています。

 松伏町内に入ると、町内の2.3kmがブツ切れで開通済み。両側の「増林・松伏西工区」1.0kmと「田島工区」0.6kmが、事業中となっています。

 東端の田島工区では、南側から「東埼玉道路」側道部が伸びてきて、ここで接続する予定になっています。東埼玉道路の松伏開通は2025年度の予定。有料道路となる高架部も、この地点まで事業化済みです。

 ところで、野田市にとっては、そこからが重要。野田市へ入る「最後の難所」が、江戸川を渡るボトルネックの野田橋です。

 残念ながら、野田橋を渡って市内へ至る区間は、まだ事業化していません。事業化に向けた概略ルートなどの基礎検討すら進んでおらず、野田市や吉川市など沿線自体による「浦和野田線建設促進期成同盟会」は、毎年のように国や県へ要望書を提出しています。

 野田橋の交通量は、昼間12時間で1万7879台にのぼるといいます(2015年調査)。全国都市部の県道平均の2倍の交通量で、有数の渋滞箇所となっています。要望書では、東埼玉道路の開通でますます流入車両が増え、流山市の物流施設の開業も混雑に拍車をかけるとしており、「喫緊の対応を検討」するべきだとしています。

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