110番や119番の「緊急通報」 英語でも可能? 中国語は? 「インバウンド回復」で交通事故も増加… 多言語には対応しているのか
コロナ禍が収束しつつあり、訪日外国人の数もコロナ以前の水準に回復傾向にあります。その一方で、外国人が関係する事故なども増加していますが、110番や119番などの緊急通報は日本語以外の言語に対応しているのでしょうか。
「110」や「119」 日本語以外に対応している?
コロナ禍が収束しつつある現在、インバウンドの数も回復傾向にあり、街中で外国人旅行者を見かける機会も増えてきました。
そうしたなか、もし外国人が関係する交通事故が発生した場合、110番や119番などの緊急通報ダイヤルでは、日本語以外の言語で通報することはできるのでしょうか。
日本政府観光局の発表によると、2024年1月の訪日外客数は前年同月比で79.5%増と大きく回復し、コロナ前となる2019年同月とほぼ同数になったといい、今後も訪日外国人の数は増加傾向となることが見込まれます。
外国人旅行者のなかには国際免許を取得し、日本国内でレンタカーなどを借りてクルマに乗るという人もおり、そうしたことから外国人旅行者が関係する交通事故も発生しています。
通常、交通事故に巻き込まれた時には、当事者の義務としてけが人の救護や警察への事故報告を行う必要がありますが、これは外国人が事故当事者となった場合でも例外ではなく、日本国内での事故である以上は110番や119番への通報が必要です。
しかし、緊急通報が必要な場面では少なからずパニックを起こすことがあり、細かな状況説明が必要になるなど、日本語がまったく話せない訪日外国人だけでなく、元々日本に住んでいる外国人の中にも、日本語での通報を難しく感じる人もいるかもしれません。
付近にいる人が代わりに日本語で通報するなどサポートができることがベストだと言えますが、当事者とのやりとりが必要な場面や日本語のわかる人が近くにいない場合なども考えられます。
では、緊急通報は日本語以外の言語でも可能なのでしょうか。
実は全国の都道府県警察で、110番に対応する通信指令室に、外国語の話せる警察官を配置しています。
また、通訳センターの係員や指定通訳員など、外国語が話せる警察職員に転送して三者間通話を行う仕組みの導入を進めています。
これにより、日本語の話せない人であっても電話で緊急通報を行うことが可能なのです。
さらに、総務省消防庁でも、電話通訳センターを介した三者間同時通訳を導入しており、119番通報への対応や、救急現場での対応時に活用しています。
例えば、各消防本部の指令センターで外国人からの119番通報を受けた場合、指令センターから電話通訳センターに転送することで、三者間同時通訳による対応を行います。
対応言語は消防本部によって異なりますが、英語以外にも中国語や韓国語、スペイン語、ポルトガル語については多くの本部で24時間365日の対応を行なっており、その他にもベトナム語やフランス語など多数の言語に対応していることもあります。
この三者間同時通訳は119番通報時だけでなく救急現場でも活用されており、救急隊員到着後にも、現場で通訳を介した外国語での対応が可能です。
一方で、多言語で対応していることについてはまだ周知されていないことが課題で、外国人だけでなく国内在住の邦人であってもなかなか知っている人は少ない現状にあります。
こうしたことから、警察や消防では外国語での通報が可能であることの周知を進めており、ホームページに英語をはじめとした複数言語での情報を掲載しているほか、パンフレットを作成して各所で配布しています。
さらに、外国人留学生などを対象にした110番や119番通報の研修会が全国で実施されています。
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交通事故に遭遇すると、日頃から日本語を話す日本人でも、緊急通報の時には慌ててしまって言葉が出てこないということは珍しいことではありません。
簡単な日常会話程度なら日本語が話せるという外国人にとっても、いざという時にはその人の母語で対応可能という点は安心感があるのではないでしょうか。
万が一自身の近くで交通事故を見かけた場合は、負傷者を救護するとともに二次事故を防止し、緊急通報や必要に応じてAEDの手配など、周囲の人で協力しあうと良いでしょう。
車のニュースというか乗り物ニュースの扱いの様な気もするけど、久し振りに良記事にあたった。初出の記事ではないだろうが、少なくとも学びにはなった。
ただ話せる職員を配置してるだけじゃなくて通訳センターとの三者間通話とか啓発活動など付随する事柄も説明していて、読んだ後の疑問や突っ込み所が残らない。
警察なら各言語を網羅する必要はなく英語だけでも旅行者との意思疎通は十分だが、消防の場合は命に関わる事だからなるべく言語を多く扱える様に通訳センターとやらを利用しているのだろう。
しかし謎の元警察官を出し抜いて、他のライターがこの記事を書くとは…。