ラジコンレーサーからプロドライバーに!? 突撃営業でチャンス掴む! まるで“ドラマ”みたいな物語とは
わずかな繋がりをもとめて突撃営業!?
TGR GR86/BRZ Cup参戦時に、たまたま前を走っていた井口卓人選手の走りを見て、ピットに来て走りを教えて欲しいと懇願します。
井口選手も「自分はこういう風に突撃できないタイプなのでびっくりしました」とその行動に驚きます。しかし「自分で行動を起こさないとシートは巡って来ないのでこういう努力はすごいな」と感心。
そして奥本氏の上のカテゴリーで走りたいという想いは突撃営業という思い切った行動に移します。
2月に岡山国際サーキットで走行があるらしいという情報を探し当て、アポ無しでチームを訪れ、ワンメイクで知り合った井口選手を頼りにR&D SPORTの澤田監督、小澤総監督に自らを売り込みます。
小澤総監督は「うちのチームはストイックなメンバーが多いんですよね。奥本が来た時にひたむきさと真面目さが感じられましたし、なによりこんなガッツがある若い人は珍しいですよね。実際ピットの中でも真面目にいろいろなものを吸収しようとがんばっています」とその真面目さとストイックさがチームカラーにもあっていると感じたそうです。
3月16日-17日に岡山国際サーキットでの公式テストに参加し、ルーキーテストも無事に合格。続く3月23日-24日に富士スピードウェイで行われた公式テストでも少ないながら走行を経験しました。
そんな奥本氏は「とにかくマシンが速い。パワーもそうですしタイヤも太いし、空力などのグリップ力も今まで経験したことの無いマシンです」と興奮気味に話しをしてくれます。
「ラジコンの世界はモデルスケールが小さいながらもセッティングの幅はものすごくあり、その経験は生きています」とラジコンで培った経験が役立っていると言います。
富士スピードウェイでの走行では、井口選手・山内選手の走りから見ると2秒落ちで走行しています。経験が圧倒的に少ない中で、BRZ GT300という国内で1台しか走っていないレーシングカーを走らせるのは並大抵のことではないのは想像できます。
実際ピット作業での手こずりや、再スタート時にエンストをしてしまうなど、若手らしいミスも起こしてしまいます。
その都度メカニックやエンジニア、井口選手・山内選手にさまざまなことを聞いていました。

公式戦開幕前の貴重な時間を割いての走行ということもあり、わずかな周回と時間をものしようとする姿勢が感じられます。
ピットビューイングでのファンサービスの時、スバルファンから応援されている姿も見られました。
レースの世界に飛び込んでわずか数年。ラジコンからスーパーGTへという異色な経歴を持つ奥本氏。
まずはオーディションドライバーとして経験を積みながらGTドライバーへと挑戦していきます。
今年どのような活躍を見せてくれるのか注目です。
Writer: 雪岡直樹
1974年東京生まれ。フォトスタジオアシスタントを経てフリーランスのフォトグラファーへ。雑誌やWeb媒体の撮影を担当。自動車雑誌の撮影と並行してユーザーインタビューやイベントレポートを担当することで、ライターとしても活動。国内最高峰のレース「SUPER GT選手権」を長年取材。新車情報やレースレポート、イベントレポートなどを雑誌やWebに寄稿する。





















