スバルの最新「コンパクトSUV」がスゴい! 過酷な状況でもびくともしない!? 「クロストレック」の悪路での実力はどんなもの?
視界の良さが「安心と愉しさ」につながるわけとは?
1月という冬本番の青森ながら、街中や幹線道路には雪はなくドライ路面です。
クロストレックは、コンパクトモデルとは思えない直進性の高さや、無駄な姿勢変化を抑えたボディコントロール、4輪を効果的に使って曲がるコーナリング、最低地上高200mmを感じさせない一体感の高さなど、クロスオーバーという枕詞が不要なくらいのレベルを備えたハンドリングを見せてくれ、スタッドレスタイヤと組み合わせてもほぼ変わりません。
厳密にいえば、スタッドレスタイヤ特有のヨレや応答遅れが無いわけではありませんが、ドライバーが丁寧な操作を心がければ気にならないレベルです。
山岳部に登るにつれて路面はだんだん狭くなる上に、路面は雪がまばらに積もった状態に。しかも、雪がちらちらと舞い始めました。普段の走行よりも緊張感が増しますが、そんな状況でも不安より安心感のほうが上回ります。
多くの人は、スバル車のシャシ性能やAWDシステムに目がいきがちですが、それに匹敵する大きな要因のひとつが「視界の良さ」です。
スバルでは「0次安全」と呼んでおり、視界の良さや運転が疲れないパッケージを性能のひとつと認識し、徹底してこだわっています。
その理由は、道も風景も真っ白な雪道をはじめとする厳しい場所での瞬時の状況判断は、直接視界に勝るものはないからです。
ちなみにクロストレックはハッチバックの「インプレッサ」よりも着座位置が高いため、より遠くまで見渡しやすい所も強みとなっています。
雪道が舗装路面より滑りやすいのは言わずもがな、そんな路面でもクロストレックはドライバーの意図通りに素直に曲がってくれます。
雪道で一番不安な下りコーナーでは「アンダーステアが出たらどうしよう」とアウト側になかなか寄せられず、イン側を走る人が多いですが、クロストレックはタイヤのグリップ感がドライバーにわかりやすく伝わるので、安心してアウト側ギリギリのラインに余裕で寄せることが可能です。
これこそが、シンメトリカルAWDとフルインナーフレーム構造SGPの実力になります。要するに4つのタイヤにグリップを効果的かつ最大限に発揮させることができるフットワークというわけです。
クルマが信頼できると、自然と走りも楽しくなります。それこそがスバルの提唱する「安心と愉しさ」の本質です。
これは決してカタログなどのスペックでは表わすことができない部分ですが、実際に乗ると一目瞭然。
雪道の長時間ドライブは普段より疲れを感じやすいものですが、クロストレックならそれも最小限に抑えられます。
「疲れにくい」→「ミスをしにくい」→「安全運転」に繋がるのです。
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ちなみに今回の試乗会でスバルのスタッフに「このまま東京へ戻ってもいいですか?」と聞いたのは本当の話。
それほどクロストレックは疲れにくく、どんな状況でも安全に走ることができるクロスオーバーSUVだったというわけです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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