クルマ運転中の「イヤホン装着」は違反になる? ならない? 道路交通法を確認すると…「意外な結果」に要注意!

耳にイヤホンを装着したままクルマを運転している人を見ることがありますが、この行為は交通違反に該当しないのでしょうか。詳しく解説します。

うっかり「違反」になる場合も!

 クルマを運転中、耳にイヤホンを装着したまま運転している人を見掛けることもあります。
 
 その様子を見ると、音楽を聴いたりハンズフリーで通話をしているようですが、イヤホンを付けての運転は交通違反に該当しないのでしょうか。

イヤホンは使い方によって違反になる可能性も
イヤホンは使い方によって違反になる可能性も

 先に結論から言えば、実は道路交通法においては「イヤホンを装着しての運転はしてはいけない」という明確なルールはないため、運転時にイヤホンを装着しても道路交通法違反にはなりません。

 しかし、一部の自治体では「公安委員会遵守事項違反」に該当してしまうので注意が必要です。

 この公安委員会遵守事項というのは、各都道府県の公安委員会が定めている安全に運転するためのルールで、例えば「極端に遅い速度で走行しない」や「雪が積もっている道ではチェーンを装着するか、スノータイヤを履く」などが挙げられます。

 そして違反になる一例として、「東京都道路交通規則」では「第2章の第8条 運転者の遵守事項」において、「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない」(原文ママ)と記載しています。

 他にも北海道や埼玉県、神奈川県、京都府、大阪府、福岡県など多くの自治体でも同様に、イヤホンを装着しての運転が禁止されています。

 よって、禁止している自治体内でイヤホンを装着したまま運転した場合、道路交通法違反にはならなくても公安委員会遵守事項違反となり、反則金として5000円(普通車の場合)が科せられます。

 また、公安委員会遵守事項でも禁止していない地域であったとしても、「道路交通法第70条」に違反していると見なされる可能性があります。

 この道路交通法第70条は「安全運転の義務」について定めたもので、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、 交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という内容です。

 イヤホンを装着して運転することで、安全に運転できていないとみなされた場合は、安全運転の義務違反として反則金9000円(普通車の場合)に加えて違反点数2点となります。

※ ※ ※

 このように、自動車を運転中のイヤホン装着は道路交通法ではありませんが、自治体によっては公安委員会遵守事項で禁止されている行為で違反に該当し、そうでなくとも状況によっては安全運転の義務に違反しているとみなされる可能性がある行為ですので、イヤホンは装着しない方が無難といえます。

 ちなみに、公安委員会遵守事項は自動車だけでなく「自転車」も対象となりますので、該当地域では自転車に乗る際もイヤホンを装着しないように注意する必要があるのです。

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