「なんちゃってSUV」なぜ増加? 地上高低めの“SUV風“に需要アリ! 悪路走破性なしのSUVが支持されるワケ
昨今の都会派のSUVのなかには「なんちゃってSUV」と呼ばれるものもあります。SUV風の外観を備えたものの最低地上高が通常モデルと変わらないSUVのことをいいますが、そういったモデルが支持されています。
「なんちゃってSUV」って何?
今はSUVの人気が高く、新車として売られる小型/普通乗用車の30%以上を占めます。軽自動車を除くと、ミニバンを抜いて、コンパクトカーと並ぶ人気のカテゴリーとなりました。
その一方で「なんちゃってSUV」という言葉も聞かれます。一体どういうものなのでしょうか。
もともとSUVは、第二次世界大戦で活躍した「ジープ」など、悪路を走破できるクルマとして誕生しました。ジープは日本でも三菱がライセンス生産を行い、その過程で得た知見を使って、1982年に三菱「パジェロ」初代モデルが発売されました。
パジェロは今では国内で販売していませんが、トヨタ「ランドクルーザー」やスズキ「ジムニー」は悪路向けのSUVとして設定されています。シャシ、足まわり、4WDシステムなどが乗用車とは大幅に異なり、滑りやすくデコボコの激しい悪路でも走破できます。
こういった悪路向けとは逆に、「なんちゃってSUV」はSUV風の外観を持ったモデルのことを表現する言葉です。
ただし今のSUVは、ランドクルーザーやジムニーなどを除くと、大半が乗用車と共通のプラットフォームや4WDシステムを使って開発されていて、2WDのSUVも多く、純粋な悪路向けは少数派になりました。
その理由は、ランドクルーザーやジムニーでなければ走破できない悪路は、少なくとも日本の生活圏内にはほとんど存在しないから。
加えて悪路向けのSUVは、ボディサイズの割に重たいことが多く、舗装路における走行性能、乗り心地、燃費なども悪化しやすいほか、開発や製造コストも高くなるため、近年のSUVは基本部分を乗用車と共通化するようになったのです。
そのため、今では大半のSUVが「なんちゃってSUV」ともいえますが、一般的な線引きは、そこまで厳しくなく、乗用車系のプラットフォームや4WDシステムを使っても、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)が200mm前後に達するトヨタ「RAV4」や日産「エクストレイル」、スバル「フォレスター/クロストレック」などは「なんちゃってSUV」は呼ばれません。
一方、トヨタ「ヤリスクロス/クラウンクロスオーバー/クラウンスポーツ」、マツダ「CX-3」、ホンダ「フリードクロスター/フィットクロスター」など、最低地上高が170mm以下の車種は「なんちゃってSUV」と呼ばれることがあります。数値だけでなく、クルマのデザインや性格も都会的で、悪路をイメージさせにくいからです。
それでも売れ行き好調な車種が多いのが事実です。
例えばヤリスクロスは、2023年に1か月平均で約8400台を登録し、国内におけるSUVの新車販売1位になりました。クラウンクロスオーバーも約3200台が登録され、売れ筋価格帯が500万から600万円の高価格車としては堅調でしょう。
つまりSUVの人気や売れ行きで大切なのは、迫力のあるフロントマスクや大径ホイールが生み出すカッコ良さというわけで、その上でSUVは、後席や荷室も広く、実用性も優れています。2ドアや3ドアのクーペと違って、カッコ良さのために実用性が犠牲になっていません。
そしてSUVの本質的な人気もカッコ良さと実用性の両立にあり、「なんちゃってSUV」だから売れ行きが下がるとは限らず、優れた悪路走破力はSUVを売るための必須条件ではないのです。
SUVになんちゃってもクソもない。
ただのジャンル分けでしょ。
クラウンのSUVも、フォレスターも大差ない。同じだよ!クロスオーバーか、クロカンかそれだけ。
クロカンSUVとクロスオーバーSUVの違いを、こういう記事の存在があやふやにしてる。
マスコミ様のいい加減な説明で境界線があやふやになってしまっている現状で、そこを厳密にカテゴリ分けする意味あります?!
フィットクロスターのFFは、他のグレードよりも最低地上高は高めに設定されているね。
私がSUVに乗るのは、運転席が比較的高く運転中の見透視が良いので先の状況が把握でき、安全安心に繋がってると感じるからです。最近は軽のワゴン車など車高も運転席も高く、普通のセダンでは前の軽に視界を妨げられます。ともすると信号待ちでは隣の軽助手席から見下げられてましたよ。
余りSUVの解説では言われてないですが、私はこの視界の良さが無意識にでも好まれてるのではと思ってますがね。