そんな新型カムリの中国仕様ですが、発売前にいくつかの詳細情報が追加で明らかとなりました。

　この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部（通称：工信部）の公式サイトです。

　工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。

　判明したのはトヨタの現地合弁会社「広汽トヨタ」が製造・販売を担当する「カムリ」の2.5リッター ハイブリッドモデルに関する情報です。

　トヨタは中国にて第一汽車との「一汽トヨタ」、そして広州汽車との「広汽トヨタ」の2つの合弁会社を設けており、カムリはこれまで一貫して広汽トヨタが手がけてきた車種になります。

　まずはボディサイズですが、全長4915mm×全幅1840mm×全高1450mm、ホイールベース2825mmとなっています。

　北米仕様では全長が4895mmとアナウンスされているため中国仕様は若干長い設計となりますが、これはフロントやリア造形の差異によるものと見られます。

　搭載エンジンには「A25D」と表記されていますが、これは広汽トヨタの関連会社「広汽トヨタエンジン有限会社」が製造するハイブリッド向けA25A-FXSに付与されるモデル名です。

　ちなみに、広汽トヨタのガソリン向けだと「A25C」、一汽トヨタのハイブリッド向けだと「A25F」のように名前が変化します。

　また、中国仕様では2.0リッター直列4気筒直噴エンジンを搭載するハイブリッドモデルとガソリンモデルも用意されます。

　前者は搭載エンジンが「M20F」、後者が「M20C」と表記されていますが、基本的な設計は日本などでもお馴染みのM20A-FXSと同一です。

　同時に届出されている画像からはグレード別の装備の違いも確認できます。

　フロントバンパーはスポーティなグレード「SE」「XSE」向けにブラックグリルが採用されていますが、その中でもSEグレードではブラックのカナードを装備したデザイン、XSEグレードではフロントリップにクローム加飾を与えたデザインとなっています。

　また、リアバンパーのマフラー周りも同様で、XSEグレードではクロームのリップが上級グレードらしい高級さを演出しています。

　これらに加え、オプション装備でブラックのトランクスポイラーも設定されることが確認できます。

　新型カムリの中国仕様は2024年3月6日より発売となります。

　予約価格は2.0リッターのガソリンモデルが17.38万元（邦貨換算：約361.7万円）から19.88万元（約413.7万円）、2.0リッターのハイブリッドモデルは18.18万元（約378.3万円）から20.88万元（約434.5万円）となります。

　2.5リッターのハイブリッドモデルはまだ価格が明かされておらず、遅れて発売されると見られます。

　日本では終売したカムリですが、一方で2023年にアメリカでは29万649台、中国では22万5503台を販売する超人気車種となりました。

　トヨタにとってもこの2つの市場は重要なマーケットと捉えており、今回のフルモデルチェンジはこれら市場における購買層を強く意識した内容となっています。