車の窓ガラスの「キラキラフィルム」って合法なの? 車検NGになることも!? 「オーロラフィルム」への反響は?

最近、虹のように光るフィルムをフロントガラスに貼ったクルマが増えています。「オーロラフィルム」と呼ばれるものですが、これに対してさまざまな反響が寄せられました。

「オーロラフィルム」違反じゃないけど否定的な意見も

 ここ最近、光の当たり方によって紫や青のグラデーションがかかったように見える「オーロラフィルム」をフロントガラスなどに貼っているクルマを見かけることがあります。
 
 虹のように反射するこのフィルムは、外から車内の様子を見えにくくすることでプライバシーの保護や防犯対策としての効果が期待できるほか、紫外線や日差しをカットする性能を持つものもあり、また、ドレスアップ目的としても人気を高めています。

青や紫に発色する「オーロラフィルム」
青や紫に発色する「オーロラフィルム」

 車内からの“見え方”にはあまり影響がないともいいますが、車検に通るのかということも気になります。一体どうなのでしょうか。

 道路運送車両の保安基準の規定では、フロントガラスと運転席/助手席の側面ガラスの場合、フィルムなどを貼った状態で「70%以上の可視光線透過率」が必要と定められています。

 後部の側面ガラスリアガラスについてはこの規定が適用されておらず、濃い着色ガラスやスモークフィルム、ミラータイプのカーフィルムを貼っていても問題ありませんが、前方のガラスにスモークフィルムを貼ることは、場合によっては保安基準に合致せず、違反になる可能性も否定できません。

 色鮮やかに反射するオーロラフィルムをフロントガラスや運転席/助手席など前方のガラスに貼っているクルマを見かけることも増えていますが、これには2023年1月に国土交通省によって出された「指定自動車整備事業における着色フィルム等が装着された自動車の指導について」という通知が関係しているようです。

 これまで車検を行う民間の指定工場では、カーフィルムの透過率の検査に使用される機器が統一されておらず、「フィルムの施工業者では車検対応と言われたのに、指定工場での車検に通らなかった」などといった事態が発生していました。

 また、カーフィルム単体は透過率をクリアしていたとしても、実測の透過率はガラス本体の影響も受けることから、車検時に測定した透過率が基準を満たしていないということもあったのです。

 国土交通省は「透過率の測定には、道路運送車両法の保安基準に規定された要件を満たした可視光線透過率測定器を使用すること」、「測定器を使用できない場合は運輸支局または軽自動車検査協会にクルマを持ち込んで検査を受けること」の2点を通知。

 カーフィルムの透過率に関する基準が変更されたわけではありませんが、検査方法の基準が明確化されたことによって、フィルム装着時に「車検に対応しているかどうか」を判定することが可能になったため、合法なオーロラフィルムを貼る人が増えたものと考えられます。

 そんなオーロラフィルムに対して、さまざまな意見が見られます。

「交差点などでは相手がこちらを認識しているかどうか分からない場合、事故に繋がる恐れがある」「歩行者やドライバーからのアイコンタクト等の安全確認が出来ないからちょっと危ない」など、外からドライバーの視線をうかがい知ることができないオーロラフィルムは事故の危険が高まるとの意見がありました。

「フィルムは貼った後が大変で、劣化で透過率は低下します。車検の際通らなければ剥がすしかありません」「知人が新車に貼って3年後の車検で通りませんでした」など、施工したときは透過率70%をクリアしていても劣化によって車検に通らなくなることもあるようです。

 さらには、「ディーラー整備士ですが、当店には透過率を測定する機器がないので、フィルムを貼っている車両の検査はお断りしています」「車検の検査時に陸運局指定の測定器を使わなければならなくなりました。ただし、指定の測定器は高くて買えないため、車検をお断りしてます」など現役整備士からのコメントも。

 測定器がないことから、オーロラフィルムが貼られたクルマの車検を受けないというディーラーや整備工場もあるなど、デメリットも多いことを認識しておく必要があり、オーロラフィルムの貼付には慎重になったほうが良いのかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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