クルマ左折時の幅寄せが危険視されるワケ 安全のためのルール、なぜトラブルの火種に
幅寄せをしないドライバーが多いのも問題?
そもそも左折車の幅寄せには、どのような目的があるのでしょうか。東京都世田谷区の自動車教習所「フジドライビングスクール」の田中さんに聞きました。
――左折時の合図と幅寄せは、どのようにするのが正しいのでしょうか。
交差点が近づいたら、左側や後方に自転車などがいないことを確認してウィンカーを出し、さらに周囲を確認したうえで幅寄せをします。道路交通法では「できる限り道路の左側端に寄り」としか書かれていませんが、実際の指導において聞かれた場合は、道路の端から50cm程度と教えます。なお、左側に自転車専用帯があっても、そこに入り込んで寄せます。
――幅寄せにはどのような意図があるのでしょうか?
左折時に自転車などが進入することによる巻き込み事故を防止するためです。20年ほど前であれば、原付やバイクの進入を想定し、幅寄せの幅を道路端から75cm程度と教えていましたが、いまは自転車を想定して50cm程度としています。
――もしも左側や後方に自転車が走っていた場合は、どう左折したらよいのでしょうか?
こうした場合は、幅寄せすると「妨害」に当たるので、自転車を先に行かせる必要があります。どこまでが妨害に当たるかは微妙なところかもしれませんが、後方の自転車にブレーキを踏ませたり、よけさせたりしたら、該当すると考えてよいでしょう。
――自転車にとって幅寄せは危険との意見もありますが、どのようにお考えでしょうか?
法律では、左折のときは幅寄せをすることになっていますが、実際にはほとんどのドライバーが周囲の確認だけで幅寄せをしないため、一部の人が幅寄せをすることに対して「危ない」と思われがちなのだと思います。
※ ※ ※
田中さんは「幅寄せするか、確認のみで済ませるか、どちらかが徹底されない限りトラブルはなくならないと思いますが、後者は法律が改正されない限り難しいことです」と話します。
【了】
提供:乗りものニュース