レクサス新型「和製スーパーカー」どうなる!? “MT&4WD“の「爆速スポーツカー」に!? 美しすぎる「エレクトリファイドスポーツ」市販版の可能性とは
市販版エレクトリファイドスポーツどんなクルマになる?
まず間違いないのは、スーパーカー然としたスタイリング。スーパーカーのプロポーションは一般的にBEVであってもキャビンフォワードとしてミッドシップを感じさせるものが多いですが、エレクトリファイドスポーツはキャビンを後方に配置したロングノーズなのが特徴ですね。
これはフロントエンジンだったLFAの後継であることを思わせる要素の一つといっていいでしょう。
ちなみにLFAがFRを採用したことに関して、レクサスは「スライドコントロールがしやすいこと」をあげていました。
刺激的な走りをテーマのひとつに掲げているレクサスだけに、エレクトリファイドスポーツもタイヤの限界を超えたスライドコントロールのしやすさを考えているのかもしれません。
また、全個体電池を採用すること、一充電の航続距離が長いこと、そして驚異的な加速性能を持つことも市販仕様に継承されると考えてよさそうです。
気になるのがMTの存在。一般的にBEVにマニュアルトランスミッションを組み合わせることはありません。意味がないからです。
また、ガソリン車でも「日産GT-R」をはじめ「フェラーリ」や「ランボルギーニ」など超高性能車がそうであるように、コンベンショナルなMTは設定がなく2ペダルのみという構成も今ではごく当たり前です。
それらはMTよりも2ペダルのほうが速いだけでなく、高性能車だとシフトミスが起きた際に車両の挙動が乱れて危険だからそのリスクを排除するという考えもあります。
しかし、クルマを操るうえでは「MTならではの楽しさ」があり、それを求める運転好きが多いのもまた事実。たとえば先代(991型)ポルシェ911 GT3は当初、上記の理由からMTの用意がなかったものの、市場からの要望により後期型では設定されたという例もあります。
MTの設定は、いまのスポーツカー界においてライバルに対する差別化になるのです。
そんな背景もあり、そして関係者がMTの存在を匂わせる発言をしたこともあり、エレクトリファイドスポーツの市販版にはBEVながらMTが備わるという噂が出回っているのでしょう。
ちなみにトヨタはBEV用のMTを開発していると明らかにしています(新しいプラットフォームを使い2026年以降に販売されるBEVの一部モデルにオプション設定すると表明)が、そのMTは必要だから存在するのではなく「機械としては無駄なことだがドライビングプレジャーを高める効果があり、それを楽しむためのファンに向けたもの」です。
そんなMTをエレクトリファイドスポーツに積めば、ライバルとなる高性能BEVスポーツカーに対する明確な差別化となるでしょう。
ただし、約2秒という0-100km/h加速はMTでは実現できないでしょう。人の手によるシフトアップに時間がかかりすぎるからです。
そこで考えられるのが、「日常や早く走るときは手動ギヤチェンジが必要なく、MTで走りたいときだけMTになる」という発想の転換。
通常やタイムアタック時などには2ペダルで走り、「MT走行」したいときには切り替えてMTを楽しむというものです。
トヨタが開発しているBEV用MTはエンジン車のMTと異なり、操作はドライバーですがあくまで電気仕掛けで疑似的な感覚を作るもの。シフトレバーやクラッチ操作は「スイッチ操作」に過ぎないですが、違和感のないようにフィーリングを作り込んでいるといいます。
だから「MT操作したいときだけMTにする」という新しい使い方もできるのです。
また、MTと並んで「クルマを操る」ことのギミックとして期待したいのが「サイドレバーを備えた電子制御式パーキングブレーキ」。
昨今は先進安全や運転サポートの観点から電子制御式パーキングブレーキは欠かせないものとありますが、いっぽうでラリーやドリフトといったスポーツ走行ではサイドレバー式のパーキングブレーキが活躍します。
そこで、先進安全や運転サポートに貢献する電子制御式パーキングブレーキながら、スポーツ走行時にはサイドレバーを引いて後輪をロックさせる機能を持たせれば、こちらもライバルに対する強みとなるのです。
いま販売されている車両に備わる電子制御パーキングブレーキは作動/解除に少し時間がかかるので、鋭い反応が求められるスポーツ走行におけるサイドレバー式ブレーキとして活用するのは無理があるでしょう。しかし、技術の進化は不可能を可能とするに違いありません。
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「MT」や「サイドレバー式パーキングブレーキ」は効率やクルマの正常進化という面から考えると、今後はますます不要なものとなるでしょう。世の中からどんどん消えていく方向にあります。
しかし、トヨタは「運転の楽しさ」という面から一部のスポーツモデルではあえて未来へ残そうと可能性を模索。それはわずか10年前のトヨタならまったく考えられなかったことといえるでしょう。
これは、ここ数年でトヨタが大きく変わったことを感じさせるトピックと言い換えられるに違いありません。
いっぽうで、そういった「遊び心」のアイテムを研究開発できるのもまたトヨタの凄さと言っていいのではないかと筆者は思うのです。
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