新幹線の最上級「グランクラス」 座り心地最高!? シート手掛けたのは意外なメーカー? 700km乗った印象は?
東北・北海道新幹線、北陸新幹線、上越新幹線に設定されるグリーン車よりも上級な空間「グランクラス」。実はトヨタ紡織やレカロが手掛けたシートが使われていました。
「グランクラス」とは
クルマのシートは、人間工学に基づいて長距離移動などでも疲れにくいように設計されています。
そんなシートメーカーのトヨタ紡織とレカロは新幹線のシートも手掛けています。
中でも新幹線のファーストクラスと言える「グランクラス」に採用されていますが、どのような特徴があるのでしょうか。
トヨタ紡織とレカロのシートが採用されているグランクラスというのは、東北・北海道新幹線(E5系・H5系)、北陸新幹線(E7系・W7系)、上越新幹線(E7系)に設定されるグリーン車よりも上級な空間です。
主な特徴は、1両丸ごとがグランクラス専用となり、1列+2列の全18席で構成されています。
さらに専任のグランクラスアテンダントがおり、ドリンクや軽食が提供されるなど、航空機に似たサービスを受けられます。
大きく東北・北海道新幹線 (E5系・H5系)と北陸新幹線(E7系・W7系)で内装や装備、サービス内容が異なり、そのひとつがシートです。
トヨタ紡織は北陸新幹線(E7系・W7系)、上越新幹線(E7系)に採用されています。
なおトヨタ紡織では、トヨタ「ヤリス」「ハリアー」やレクサス「RC F」「LS」のシートや内装に加えて航空機のシートも手掛けています。
一方のレカロは東北・北海道新幹線 (E5系・H5系)に採用されています。
レカロといえば、スポーツ走行やモータースポーツで有名なメーカーですが、今回の新幹線や航空機のシートも手掛けています。
なお、どちらも見た目はコクーンのように包まれるようなシート形状ですが、分かりやすい違いでは、トヨタ紡織の背面にキルティング風デザインとなっていることです。
今回は、新青森駅から東京駅まで東北・北海道新幹線のグランクラスに乗車したため、レカロの手掛けたシートを体感しました。
グランクラスは、乗車すると、2枚のドアを経てその専用空間に行くことができ、そこには全3列(1+2)で18席が配置されています。
シートには複数の機能は備わり、リクライニングは最大45度。アームレストにあるパネルで好きな姿勢に変えられます。
実際に座るとクルマ用のバケットシートのような「運転するための姿勢」ではなく、「快適に移動するための姿勢」が作れ、どの姿勢が自分に合うのか迷いました。
乗車中はPC作業や食事をしましたが、あまり振動を気にすることもなく過ごすことが出来たのには驚きです。
またアームレストに格納されているテーブルは2段階の大きさ、前後位置に変えられる他、それとは別のカクテルトレイもあるため、好みの使い方が可能でした。
そんな贅沢なシートが特徴的ですが、最大の特徴は航空機のようにグランクラスアテンダントがいることです。
グランクラスアテンダントは、乗車後に水やチョコ、おしぼり、メニューなどが入ったウェルカムセットを手渡してくれます。
また乗車中は、専用メニューにあるドリンクや軽食を頼むことができ、ソフトドリンクからアルコール。
ちょっとしたお菓子や軽食(和食・洋食)も堪能することが出来ます。
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今回の新青森駅から東京駅では、指定席が1万7470円、グリーン車は2万3540円、グランクラスは2万8780円となっており、決して「お手軽に乗れる」ものではありません。
しかし、約700km近い距離を移動する際、「快適な移動」を求めるのであればアリな選択肢でした。
今の時期にトヨタ紡織とトヨタグループ会社が作ったと聞くと不安を抱いてしまう。