ホンダ「2人乗り軽自動車」意外な場所に現る!? ミッドシップスポーツカーに熱視線! どんな特徴がある?

ホンダ「ビート」は、オープントップのミッドシップ・スポーツカーです。唯一無二の魅力を持つビートは、アメリカのユーザーをも惹き付けているようです。

ビートがアメリカに!? そこにある背景とは?

 オープントップのミッドシップ・スポーツカーであるホンダ「ビート」は、これまで生まれた数々の軽自動車のなかでも異色と言える存在です。
 
 唯一無二の魅力を持つビートは、アメリカのユーザーをも惹き付けているようです。

ホンダ「ビート」がアメリカに!? そこにある背景とは?
ホンダ「ビート」がアメリカに!? そこにある背景とは?

 1991年に登場したビートは、全長3295mm×全幅1395mm×全高1175mmというコンパクトなボディを持つ軽自動車でありながら、ミッドシップにエンジンを搭載するオープントップのスポーツカーです。

 あくまで軽自動車であるため、ビートに搭載されるエンジンの排気量は660ccですが、F1で培われたテクノロジーを応用した「3連スロットル」が搭載されているなど、ホンダの並々ならぬこだわりが感じられるものとなっています。

 そのほか、4輪ディスクブレーキや前後でサイズの異なるタイヤの採用、5MTのみの設定など、ビートは当時の軽自動車としては異色の存在と呼べるものでした。

 ビートの販売は1996年に終了していますが、現在でも根強いファンが多いことから、中古市場では当時の新車価格である138万8000円を大きく超える価格で流通している個体もめずらしくありません。

 軽自動車であるビートは、当然のことながら日本国内専用車であり、海外市場で正規販売された実績はありません。

 ただ、ホンダのテクノロジーが詰まったこのコンパクトなミッドシップ・スポーツに注目する海外のマニアも一定数存在しており、何台かのビートが並行輸入で海外へと渡っているようです。

 実際、アメリカ・ミルウォーキー州にある「ゲートウェイ・クラシック・カーズ」という中古車販売店では、1991年式のビートが販売されているのを確認することができます。

 ビートを代表するボディカラーである「カーニバルイエロー」に彩られたこの個体は、走行距離は5万4000kmを超えており、内外装ともにそれなりの状態です。

また、ホイールは「レイズ」、ステアリングは「モモ」のものが装着されているなど、一定のカスタムが施されています。

 いわゆる極上個体であるとは言えないこのビートですが、にもかかわらず、1万4500ドル(約214万円)という当時の新車価格を超える値段が付けられており、為替や輸送費などを差し引いても、かなりのプレミア価格であると言えそうです。

 そのほか、アメリカでは数台のビートが販売されているようです。

 それぞれの価格を見ると、もっとも安いものでも1万ドル(約140万円)程度、最も高価なものでは3万ドル(約420万円)近くという個体も見られます。

 一方、ビートの事実上の後継車であるS660は、現時点ではアメリカ国内でほとんど流通していません。

 これはS660がアメリカにおける車両基準などを満たさないため、原則として公道を走行することができないことが大きな理由です。

 ビートに関しても同様ですが、アメリカでは生産から25年が経過したモデルに対して大幅に規制が緩和される通称「25年ルール」というものが存在します。

 1991年から1996年にかけて生産されたビートにはこのルールが適用されるため、アメリカでも流通しています。

 そのほか、ビートとともに「ABCトリオ」を構成したオートザム「AZ-1」やスズキ「カプチーノ」も、わずかな台数ではあるものの、アメリカの中古車市場で流通しているようです。

 いずれも新車価格を超える値段で販売されており、マニアな人気があることがうかがえます。

※ ※ ※

 日本国内でしか販売されていないクルマは「JDM(=Japan Domestic Market)」と呼ばれ、アメリカの特に西海岸エリアを中心に熱狂的なファンを持つことが知られています。

 その中心となるのは、日産「スカイライン GT-R」やトヨタ「スープラ」などの国産スポーツカーですが、一部の地域では軽トラックなども並行輸入され、現地のユーザーに重宝されているようです。

 ボディサイズや排気量に厳しい制約がある軽自動車ですが、そうした制約があるからこそ生まれる数々の創意工夫は、日本のユーザー以外も惹き付けることがあるようです。

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