「モータープール」=「駐車場」の謎 なぜ大阪だけなぜそう呼ぶのか?

少なくとも昭和20年代から「モータープール」 進駐軍との関係も?

 大阪で駐車場を「モータープール」と呼ぶルーツを探るべく、大阪府立中之島図書館による協力のもと、資料を調べました。

「モータープール」と名の付く駐車場の古い例は、昭和20年代後半にさかのぼります。『阪急不動産の50年史』(社史編纂委員会、阪急不動産)には1953(昭和28)年、阪急梅田駅の南東に「梅田モータープール」が開業したと記されています。ちなみに2017年6月現在、この場所にあるのは商業ビル「HEP FIVE」(ヘップファイブ)です。

 また、「梅田モータープール」ができた年である1953年5月20日付けの毎日新聞によると、国鉄大阪駅前に当時日本一の高さだった地上12階建ての「第一生命ビルディング」が誕生し、「地下2、3階にモータープールを備えた」との文言があります。今回の調査で確認できた、駐車場を「モータープール」と呼称するもっとも古い記録はこの2件でした。

 阪急不動産および、第一生命ビルディング(現・大阪第一生命ビル)の所有者である株式会社第一ビルディングの関西統括事業所(大阪市淀川区)に、「モータープール」という呼称の由来を聞きましたが、いずれも「わからない」との回答でした。さすがに古い話で、両社ともわかる人が社内にいないそうです。

 なお、戦後、進駐軍のクルマの待機場所を「モータープール」と呼んでいたことにルーツがあるという説もあり、上記の「梅田モータープール」があった場所はかつて進駐軍の接収地だったそうです。しかし、進駐軍がこの接収地をどのように使用していたかは不明で、「梅田モータープール」という名称との関連についても確認はできませんでした。

【了】
提供:乗りものニュース

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