これは…新型「エルグランド」なのか？ エクストレイル顔ミニバンの正体とは

　2024年1月12日から14日にかけての3日間、幕張メッセ国際展示場で東京オートサロンが開催されました。
　
　数多くのカスタムカーが出展された中、日産京都自動車学校が展示した「ELGRAND GLASSIER」が話題を呼んでいます。

　東京オートサロンは1983年からの長い歴史を持つ、世界最大級のカスタムカーショー。

　アメリカのSEMAショー、ドイツのエッセンモーターショーと共に世界3大カスタムカーショーのひとつにも数えられ、毎年数多くのカスタムショップや自動車メーカー、自動車大学校が参加しています。

　日産京都自動車学校もそうした出展者のひとつ。この学校のカスタマイズ科では、東京オートサロン、大阪オートメッセでの出展を目的としたカスタマイズカーの制作がカリキュラムに含まれています。

　その日産京都自動車学校が今回出展した車両がELGRAND GLASSIER。

　2010年から続く日産「エルグランド（E52前期型）」をベースとして、学生が考えるNEWエルグランドとして制作されました。

　なお事前に公式SNS「日産京都自動車大学校　カスタマイズ科」では「#新型エルグランド #newエルグランド」というハッシュタグを付けていたこともあり、次期型を期待させる形で話題となっていました。

　ベースとなったエルグランドは1997年に初代が発売された日産のミニバン。その登場はアルファードよりも早く、高級ミニバンの元祖とも言われています。

　そんなエルグランドをベースとしつつも、遠目からはエルグランドと分からないような迫力のあるELGRAND GLASSIERのカスタム内容について、ブースの学生は次のように話します。

「E52エルグランドをベースに、フロント周りには最新のエクストレイルのフェイスを移植しています。

　また、バックドア、ウィングにはアリアのものを流用し、オリジナリティのある見た目に仕上げました」

　フロントフェイスを移植することで、エクストレイルの持つアクティブな雰囲気を効果的に落とし込んでいます。

　また、車高を4cmアップさせ、ブロックタイヤを履くことで走破性をアップ。これは日常のアウトドアだけでなく、災害時の悪路の走行も視野に入れたカスタムであるそう。

　また、前出の学生はこのカスタムカーのコンセプトについて、次のように話します。

「ターゲットを祖父母、父母、姉、弟の6人家族に設定し、家族が笑顔で楽しめるというコンセプトで企画しました。

　屋根上の大型テントや車高の高さ、タイヤ等を見ればわかる通り、アウトドアを楽しむのに最適なクルマです」

　ミニバンの過ごしやすさとSUVのような走破性を兼ね備えたELGRAND GLASSIERは、家族全員での外出や、親子でのアウトドア、キャンプなどさまざまな場面での活躍が予想されます。

　また、今回カスタムカーを制作する上で学生たちがこだわったのは、朝焼けの空の色をイメージしたボディカラーであるとのこと。

　一見ただのグレーのように見えますが、まだ暗い空と明るい太陽の間の色を忠実に再現。

　また、ミラーの部分に使用されているオレンジ色は朝日の色をイメージしています。

　内装のアクセントカラーにもオレンジが多用されており、ダッシュボードからドアにかけて伸びるラインは朝焼けの地平線を想起させます。

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　ELGRAND GLASSIERのほか、日産「キューブ」に日産「ブルーバード」のパーツを移植したカスタムカー「SETO」も出展されていました。

　先述の通りELGRAND GLASSIERが6人家族をターゲットカスタマーとして設定している一方、SETOは6人家族のうちの姉をターゲットとして設定しています。

　日産京都自動車大学校の職員によると「カスタムカーはクルマありきで考えるのではなく、理想とするアイデア、ターゲットがあった上で、どのようなカスタムを施すか」を考えていくそうです。

　見た目のデザインに着目する楽しみ方もある一方、制作の背景にある理想を認識した上で、改めてELGRAND GLASSIERを見てみると、また別の楽しみかたができるかもしれません。