“まるでカフェ”な次世代の「路線バス」もうすぐ登場? 超デカイ進化系「SRT」! 名古屋で進む“新たな移動手段”の狙いとは

名古屋市が、新たな路面公共交通システム「SRT」の導入を進めています。市の住宅都市局にその詳細を聞きました。

「SRT」を整備する狙いは

 名古屋市で現在、ある画期的なバス路線の計画が進んでいます。それは、路面公共交通システムの「SRT」です。名古屋市中心部で2025年度の運行開始を目指しているそうですが、どのような計画なのでしょうか。市に話を聞きました。

車両のイメージ(画像:名古屋市)
車両のイメージ(画像:名古屋市)

 市によると、SRTは「Smart Roadway Transit」の略です。

「技術の先進性による快適な乗り心地やスムーズな乗降、洗練されたデザインなどのスマート(Smart)さを備え、路面(Roadway)を走ることでまちの回遊性や賑わいを生み出す、今までにない新しい移動手段(Transit)」を表す概念といいます。まず、名古屋駅と栄地区を結ぶ路線を整備する計画です。

 このSRTの背景には、2027年以降に開業するリニア中央新幹線の存在があります。

 リニアの開業によって、名古屋~東京(品川)間は最速40分まで短縮され、それによる都市圏同士の拡大が見込まれています。

 さらに、近年ではアジアを中心とした外国人旅行者も増加。名古屋圏への来訪者も増える見込みです。

 また、名古屋駅周辺や栄地区は開発需要も高まっています。さらに、市の観光シンボルである名古屋城(名古屋市中区)では天守閣の木造復元が進むなど、観光スポットの整備も進んでいます。

 SRTは、そのような名古屋駅周辺から栄地区や市内のスポットを接続しつつ、その回遊性を高めるのが目的です。

 もちろん、名古屋駅と栄地区をつなぐ交通手段は、現時点で存在します。しかし、その主要な手段である地下鉄東山線などは混雑傾向にある上、名古屋駅から名古屋城や大須(名古屋市中区)へ向かう場合、乗り換えが必要です。

 実際、愛知県在住の筆者(鈴木伊玖馬)の肌感覚としても、名古屋市を通る地下鉄各線はすでに通勤客などでかなり混んでいる印象があります。また、地下駅の通路もさほど広くないため、乗り換えにも苦労するイメージを持っています。そのため、地図上では近く感じる名古屋駅と栄地区ですが、実際に移動してみると思った以上に時間と手間がかかってしまいます。

 それだけに、この新路線には個人的にかなり期待を寄せています。今回はそのSRTの概要や特徴について、市に話を聞きました。

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