新車大量投入の「日産」なぜメーカー順位は“5位”? 新型SUV不調が原因か!? 「エクストレイル」が伸び悩むワケ

e-POWER専用のエクストレイルの弱点とは?

 先代エクストレイルではガソリン車が売れ筋で、2WDの「20Xi」や4WDの「20X」では価格を280万円前後に設定していました。

 それが現行モデルは、発電用エンジンとして圧縮比を変化させる機能を備えた1.5リッター直列3気筒ターボを搭載するハイブリッドのe-POWER専用車になり、そのために価格も高く設定。代表グレードとされる「X・e-4ORCE」は404万9100円です。

 この価格は、ハリアーの「ハイブリッドG」やマツダ「CX-60」の3.3リッター直列6気筒クリーンディーゼルターボを搭載する「XD・Lパッケージ」などに近いです。

「エクストレイル」は1.5リッターターボエンジンを発電機として使う
「エクストレイル」は1.5リッターターボエンジンを発電機として使う

 エクストレイルの価格は、先代モデルではミドルサイズの水準でしたが、新型ではラージサイズに匹敵しており、これが売れ行きを下げた要因のひとつとなっているようです。

 キックスも同様です。e-POWER専用車とあって、全長が4300mm以下のコンパクトSUVですが、価格はもっとも安価なグレードでも約300万円です。売れ筋は310万円~340万円に達します。

 売れ筋カテゴリーのSUVでエクストレイルやキックスの販売が伸び悩む理由は、パワーユニットをe-POWER専用にして値上げしたからです。この影響で、日産の国内販売が全般的に伸び悩んでいるというわけなのです。

 今後は、SUVのエクストレイルやキックスに、割安なグレードを設定することが必要です。またエクストレイルにエアロパーツを装着する「ハイウェイスター」を用意するなど、購買意欲を高めるバリエーションの追加も求められます。

 また今の日産には、電気自動車のサクラ以外、カテゴリーの販売1位になる車種がありません。

 セレナにSUV風の仕様を加えて売れ行きを伸ばしてミニバンカテゴリーの販売1位を狙うなど、日産のブランド力を高める工夫も必要となっているのではないでしょうか。

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Writer: くるまのニュース編集部

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