スズキ新型「ジムニー“XL”」発表! 「待望のコンパクトSUV」に「右ハンドル車」登場も日本導入はまだ? 現実的な「時期」は“いつ”なのか

ジムニー5ドア、なぜ出ない?いつ出る?

 まず、優先順位として3ドアの日本生産の「ジムニー」の受注残を片付けることが先。散々に納車待ちを食らっている人が、「5ドアが出ました」と聞けば、怒ってしまうことが考えられます。

オーストラリアでの名称は「ジムニーXL」となった
オーストラリアでの名称は「ジムニーXL」となった

 ですから、現在の納車まで1年待ちを超える状況が解消するまで、「5ドア」の追加はあり得ないはずです。

 次に、「ジムニー5ドア」を日本に導入するとして、“一体、どの程度の数が売れるのか?”という問題があります。一定数は確実ですが、実際に、どのくらいの数になるのかは不明です。

 現在のところ「ジムニー」は、月に3500台ほどが売れています。この調子で納車待ちが1年あるということは、バックオーダーが3~4万台程度あることが予想できます。

 しかし、逆に言えば、その程度の数字です。ちなみに今、最も売れている軽自動車はホンダ「N-BOX」で、月に2万台ほどが販売されています。年間で言えば24万台規模。これに比べれば、「ジムニー」の年間3~4万台レベルというのは、それほど大きなものではありません。

 ですから、「ジムニー5ドア」が追加されると、どの程度のプラスが生まれるのかが重要です。もしも、追加することで販売が2倍にまで膨れるのであれば、スズキも真剣に検討するはず。

 ところが、「5ドア」を追加したことで「3ドア」が減ってしまうようでは意味がありません。ここら辺のシビアな計算をクリアした先に、「ジムニー5ドア」の日本導入のドアが開かれるのです。

 現在ある、「長い納車待ち」という課題をクリアし、その先の「5ドア導入による販売数拡大の手応え」があって、ようやく真剣な検討が始まるというのが「ジムニー5ドア」の状況ではないでしょうか。

 これらを解決すには、数か月ではなく、数年単位の時間がかかってもおかしくないのでは。残念ながら「ジムニー5ドア」が日本に登場するとしても、それは相当先になるのではないでしょうか。

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