政府が「ライドシェア導入」へ! 24年4月解禁で「何が起こる」!? 乗員「人手不足」の切り札となるのか
「日本版ライドシェア」の大きなカギは「規制緩和」と「制度改善」
では、今回の中間答申を受けて解禁される、日本版ライドシェアとはどういうものなのでしょうか。
全体としては、大きく2つの流れがあります。
1つは、既存の地域交通に対する規制緩和と制度の改善です。
規制緩和は、タクシー事業について実施します。
例えば、第二種免許の取得について、1日の教習時間をこれまでの3時限から4時限に増やすことで、最短で5日と1時限で教習を終えることができるようになります。
また、在留外国人の第二種免許取得を後押しするため、試験問題例を20言語に翻訳し、地域によっては外国語での試験の実施を可能とします。
さらに、カーナビが普及している今、その必要性が疑問視されてきた地理試験も廃止します。
このほか、タクシー事業者のよる新しいビジネスモデルの構築などによって、コロナ禍以降に急減したタクシードライバー数を増やした上で、都心、地方部、中山間地域などでの需要にマッチするタクシー事業の改善を目指すとしています。
次に、自家用有償旅客運送の制度改善です。
これは、すでに全国各地で使われている、普通免許所持者が自家用車を使ってタクシーのような行為を行うものです。
言うなれば、すでに存在する日本版ライドシェアです。
ただし、自家用有償旅客運送を実施するためには条件があります。地域交通が極めて不便な地域(交通空白地域)、または福祉を目的とすることが条件です。
しかも、タクシーやバスなどの事業者や住民の代表者など、地域交通に係る関係者が地域公共交通会議を開いて実施に向けた議論を深める必要があり、このプロセスがかなり長期間にわたることが珍しくありません。
こうした自家用有償旅客運送の仕組みを今回、改善するというのです。
例えば、交通が不便という定義には、人気観光地でタクシー待ちの長い行列ができるなど、タクシー不足が社会問題になっている場合も含まれます。
タクシーやバスの供給が需要にマッチしない地域、またスノーリゾートや海水浴場など時季によるケースや、繁華街の夜遅い時間帯なども、交通の不足地域と解釈し、自家用有償旅客運送の実施を可能とします。
そうした考え方のもと、2025年の大阪・関西万博の期間中も、自家用有償旅客運送を実施する予定です。
このような自家用有償旅客運送については、タクシー事業者が運用の管理責任を持ち、事故に対応する保険の取得や、一般ドライバーに対する安全運転に向けた指導を徹底するとしています。
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