「急いでも到着時間は変わらない?」本当なのか 「師走ドライバー」に聞いてほしい! 「慌てない大切さ」とは
事故や違反のリスクを考えると急ぐメリットは皆無
もちろん、1分1秒でも早く到着したいというケースを考えると、急ぐことにもメリットがまったくないわけではありません。
ただ、事故や違反のリスクを考慮すると、やはりそのメリットは限りなく小さいと言わざるを得ません。
もし仮に、通常時の運転では0.01%、急いでいる場合の運転では0.1%の確率で事故や違反を引き起こしてしまうとしましょう。
ある1日だけを見ると、どちらも事故や違反のリスクはほとんどないように思われます。
しかし、通勤などで日常的にクルマを使用するユーザーを想定し年間で200日運転する場合で計算してみると、1年間に事故や違反を引き起こす確率は、通常時の運転が2%、急いでいる場合の運転が20%となり、急ぐことのリスクが浮き彫りとなってきます。
言うまでもなく、これも簡単な計算に基づく机上の空論でしかありません。

ただ、急いで運転をするユーザーのほとんどは、こうした簡単な計算すらおこなうことはないのではないでしょうか。
ケース・バイ・ケースであることはもちろんですが、信号無視やスピード違反といった重大な違反でもしない限り、急ぐことによって大幅な時間短縮が図れる可能性は往々にして皆無です。
その一方で、衝突時の衝撃はスピードに応じて加速度的に増していくなど、急ぐことのリスクは決して小さくはありません。
結局のところ、急ぐことによるリターンの小ささとリスクの大きさを考えると、余裕をもって出発するなどの対策をとることが最適解と言えそうです。
※ ※ ※
たしかに、ほかのクルマの影響をほとんど受けず、信号や制限速度などの規制も受けないのであれば、到着時間は大幅に短縮することが可能であるのも事実です。
しかし、それが法律で認められているのは、救急車や消防車、パトカーなど、人命救助などに関わる一部の車両のみにすぎません。
急がなければならない事情は人それぞれですが、それがどのような事情であっても、一般のユーザーが道路交通法を無視する理由にはならないことは言うまでもありません。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。














