「急いでも到着時間は変わらない?」本当なのか 「師走ドライバー」に聞いてほしい! 「慌てない大切さ」とは
自動車教習所などでは「スピードを出しても到着時間は変わらない」という「格言」をしばしば耳にします。それは事実なのでしょうか。
急ぐことで到着時間はどのくらい変わる?
スピードを出しても到着時間は変わらないーー。
あるユーザーがSNSに投稿したそんな「格言」をめぐって、インターネット上ではちょっとした議論が巻き起こっています。

もちろん、これは必ずしも正確ではありません。
たとえば、100kmの道のりを60km/hで走り続けると所要時間は100分となりますが、80km/hで走れば所要時間は75分となります。
つまり、25分早く目的地に到着することができるわけで、スピードを出した分だけ到着時間も早まっている計算となります。
一方、これはあくまで理論上の話であり、この計算が成り立つのは深夜の高速道路などの極めて限られたシチュエーションのみです。ほとんどの場合、ほかのクルマの流れや信号などを含めた交通状況を考慮する必要があります。
より具体的な例として、10kmの道のりを一般道で30分かけて走行するケースを見てみましょう。
このケースの平均走行速度は20km/hですが、もしこれが40km/hになると計算上は15分で到着することができます。
しかし、この区間中に10個の信号があり、それぞれ1分ずつ停止していたと仮定すると、所要時間のうちの10分間は走行速度が0km/hということになります。
これを含めて15分で到着しようとすると、信号で停止している以外は120km/hもの平均走行速度を維持しなければならず、明らかに現実的ではありません。
実際には、急いだ場合に向上する平均走行速度はせいぜい5%程度であると考えられます。そして、それによる到着時間の短縮はわずか1分程度にすぎません。
このことから、急ぐことによって得られるメリットはほとんどないということがうかがえます。














