クルマ・バイクだけじゃない!? 自転車にも「青切符」導入へ 「歩道通行」で6千円か 取り締まり内容は?

自転車は通勤や通学、日常の買い物などに使われるとても身近な乗り物です。一方で自転車に関連する事故が多く発生する中、警察庁は自転車の交通違反に対し「青切符」による反則金制度を導入する方針を示しています。

どのような行為が「青切符」の対象となるのか

 自転車に関連する事故が多く発生する中、警察庁は自転車の交通違反に対し「青切符」による反則金制度を導入する方針を示しています。
 
 では、具体的にはどのような交通取り締まりがおこなわれる予定なのでしょうか。

今後「自転車」にも青切符が導入される見込み(画像はイメージ)
今後「自転車」にも青切符が導入される見込み(画像はイメージ)

 自転車は通勤や通学、日常の買い物などに使われるとても身近な乗り物です。

 最近は健康志向の高まりや食事の配達への利用が増えていることもあり、自転車のニーズが高まっています。

 その一方で、自転車が関連する事故の増加が問題視されています。

 警察庁の資料によると、2022年中の自転車関連事故は6万9985件で、全交通事故に占める割合は23.3%でした。実はこの割合は2016年以降増加傾向にあります。

 さらに自転車対歩行者の事故は2022年中に2905件発生し、こちらも増加傾向にあるほか、自転車乗車中(第1・第2当事者)の死亡・重傷事故7107件のうち約4分の3の自転車が交通違反をしていた状況も明らかになっています。

 具体的には「安全運転義務違反」や「交差点安全進行義務違反」、「一時不停止」などの違反が大半を占めており、周囲の安全確認をしない、一時停止場所で止まらないといった危険な運転がみられました。

 これまで自転車の交通違反に対しては刑事罰の対象となる「赤切符」か、口頭注意の「指導警告票」によって交通指導取り締まりをおこなっています。

 たとえば警察官の警告に従わずに交通違反を継続したり、違反によって他の車両や歩行者に具体的な危険を生じさせたりした場合には「赤切符」によって検挙。

 一方、それ以外の悪質性・危険性が高くない違反は指導警告票を交付して基本的な交通ルールを指導しています。

 なお2022年中は信号無視や一時不停止など、赤切符による検挙件数は2万4549件、指導警告票の交付は131万8830件という結果でした。

 しかし赤切符による取り締まりは、警察官が違反者から供述調書など複数の書類を作成しなければならないほか、違反者側も取り調べのために検察機関に出頭する必要があるなど、警察と違反者双方にとって負担が少なくありません。

 また赤切符で検挙された事件の多くが不起訴となっており、「違反者に対する責任追及が不十分である」との指摘も寄せられています。

 このような情勢をふまえ、2023年12月21日、警察庁の有識者検討会は自転車の交通違反取り締まりなどに関する中間報告書をまとめ、自転車にも自動車と同様に「交通反則通告制度」を導入する方針を明らかにしました。

 交通反則通告制度とは運転者が反則行為(比較的軽微な交通違反)をした場合、一定期間内に反則金を納めれば刑事罰の対象とならずに事件が処理されるという制度で、現在はクルマやバイクに対して青切符による取り締まりがおこなわれています。

 もし自転車の交通違反にこの制度が適用されれば、前述した警察官・違反者の負担軽減や違反者に対する責任追及問題の解消が期待されます。

 では、自転車の交通反則通告制度は具体的にどのようなものなのでしょうか。

 まず制度の対象となる自転車の反則行為については、クルマやバイクでも違反行為とされている信号無視や一時不停止など約110種類の違反。

 自転車の歩道徐行等義務違反といった自転車固有の違反行為5種類を合わせた約155種類を対象とする方針です。

 また、これらの反則行為のうち事故に直結する危険な運転や警察官の警告に従わずに違反行為を続けた場合など悪質性・危険性の高いケースは「青切符」による取り締まりをおこない、それ以外の迷惑性・危険性が高くない違反は指導警告とする予定です。

 一方、反則行為以外の違反については、クルマやバイクで適用されている酒酔い運転、妨害運転(あおり運転)など約20種類。

 自転車運転者講習受講命令違反といった自転車固有の違反4種類を対象とする方針です。これらの違反は「赤切符」の対象として刑事罰が科される可能性があります。

 そしてこの制度は、義務教育を修了し基本的な交通ルールを理解していると判断される16歳以上の運転者に適用される見込みです。

 自転車への反則金制度導入に関しては「わざと厳しい取り締まりがおこなわれるのではないか」との懸念も聞かれますが、警察庁はあくまで青切符による取り締まりは特に悪質性・危険性の高い違反に限定するという考えを示しています。

 つまり迷惑性・危険性の高くない違反は指導警告となる可能性が高く、基本的な交通ルールを守って運転していれば、反則金が科される事態にはならないものとみられます。

※ ※ ※

 警察庁は自転車に「交通反則通告制度」の導入を検討しており、2024年の通常国会へ道路交通法改正案の提出を目指しています。

 また今後、各世代に応じた交通安全教育のガイドラインを策定する官民協議会が設置される予定であり、いかに自転車ユーザーに交通ルールを浸透させていくかも課題となります。

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1件のコメント

  1. 一番悲惨な事故は、母親が後ろに幼児乗せ交差点を左右安全確認せずに横切り、巻き込まれる事故だ。
    起きてからでは遅いよ、自転車に優先なんかありません、弱者でもない。
    所で現在は自転車の道交法違反はすべて罰金刑。違反したら検察に出頭し、刑が決まる。それほど厳しいことを知らない人が大勢いるから、自転車による悪質な事故、違反が後を絶たない。特に高校生❕学校で今一度教える必要あるんじゃないかな?

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