見たことない!? クルマの「給油口の奥」一体どうなってる? 燃料を入れた“先”の意外すぎる構造とは
クルマの前方にエンジンが搭載されているクルマでも、給油口は車両後方に設けられています。クルマの後ろから前まで、燃料はどのような経路を通って行くのでしょうか。
後方の給油口から前方のエンジンまでどうやって燃料を届けてる?
内燃機関(エンジン)を搭載するクルマは、燃料としてガソリンや軽油を使用しており、燃料がなくなったら給油する必要があります。
最近はセルフ式のガソリンスタンドも増えており、自分で給油するドライバーも多いかもしれません。
そこで疑問に思うのは、たいていのクルマはフロントにエンジンが搭載されますが、給油口はクルマのリア側に設けられていて、エンジンまでかなりの距離があること。
では後方から前方まで、燃料をどのように送っているのでしょうか。
普段はまず目にすることがない給油口から先の構造ですが、給油時に給油ノズルを差し込む給油口から燃料タンクまでは、「フィラーパイプ」と呼ばれるパイプで繋がっています。
燃料はこのフィラーパイプを通って車両下部に設置された燃料タンク(フューエルタンク)へと入り、そして燃料タンク内にある燃料ポンプによってエンジンへと送られています。
クルマの給油口からすぐの場所に燃料タンクがあるとイメージしている人もいるかもしれませんが、給油口を開けたときに見えるのはフィラーパイプなのです。
フィラーパイプは黒い樹脂製のホースであることが多く、車種にもよりますが、1mほどの長さを持つものもあり、そこにある程度の燃料を蓄えることができます。
そして、フロントにエンジンを搭載するクルマの場合、給油口も燃料タンクも車両の後方に位置するクルマはフィラーパイプが短く、エンジンへ続く燃料系統の配管が長くなります。
それに対し、給油口が後方で燃料タンクが前方にあるクルマは、フィラーパイプが長く、燃料系統配管が短くなります。
燃料タンクの搭載場所は、クルマの重量配分やコストなど、さまざま条件を考慮して設計されています。
配管が短いほうがコストも安く、整備性も上がるのでエンジンに近いところに燃料タンクを設置するのが効率的なのですが、燃料タンクに溜まっている燃料自体の重さもクルマの重量に影響を与えることから、実際は最適な重量バランスになる位置に燃料タンクが搭載されます。
また、マフラーやエキゾーストマニホールドなどの高温になる排気系統と、揮発性が高い燃料を近づけすぎると危険なので、燃料タンクはある程度離す必要があります。
加えて、燃料タンクは意外にも大きく、車内空間を圧迫することもあるほか、「最低地上高9cm」という保安基準もあり、燃料タンクの搭載位置を下にしすぎると基準に適合しなくなる可能性もあるでしょう。
そして、車両の底をぶつけるなどしたときに燃料タンクが破損して燃料が漏れる危険性もあり、そういったさまざまな条件を加味して搭載位置が決められています。
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ホンダは、軽自動車や小型車に独自の「センタータンクレイアウト」を採用しています。
これは、厚さ15cmほどの薄型の燃料タンクを前席中央の床下に配置することで、その分空いた空間を有効利用することができるというものです。
後席は、シートを沈み込ませるように前に倒し荷室とつなげてフラットな空間を確保できる「ダイブダウン」や、座面を跳ね上げて「チップアップ」することもでき、小さなクルマの空間効率を高めるだけでなく、多彩なシートアレンジを可能にしています。
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