ETCの亜種? 謎の新システム「ETCGO」って何? すでに対応している“選ばれしクルマ”とは

ETC多目的利用サービスとして「ETCGO」が新たに誕生しました。全国の高速道路に導入されているETCと少し異なりますが、どのような特徴があるのでしょうか。

今使っているETCと何が違うのか

 2023年11月26日に、埼玉と千葉を結ぶ三郷流山橋有料道路が開通しました。この新しい道路の料金所には「ETCGO」が導入されています。通常のETCと、何が異なるのでしょうか。

「ETCGO」が使える三郷流山橋有料道路の料金所
「ETCGO」が使える三郷流山橋有料道路の料金所

 ETCはクルマに取り付けたETC車載器と出入口のレーンに設置したアンテナで通信することで、自動的に通行料金を計算し、車載器に差し込まれたETCカードを利用して決済が完了します。

 料金所をノンストップで通過できるのがメリットで、現在では約95%のクルマがETCを利用しています。

 一方、ETCGOは、「ETC多目的利用サービス」の一つです。

 ETC多目的利用サービスとは、高速道路や有料道路の料金収受に使われてきたETC技術を、駐車場やその他の様々なサービスに活用していくことを目的としたものです。

 こうしたETCの仕組みを利用したサービスは、いくつか種類があります。

 その一つが「ETC2.0」です。従来のETCの仕組みをベースに、渋滞・規制情報や災害情報といった運転支援情報がカーナビなどに配信されるようになりました。

 また、ETC2.0搭載車で、SAなどの休憩施設の間隔が概ね25km以上離れている高速道路の区間では、ガソリンスタンドや道の駅などで休憩するために一時退出しても、目的地まで高速道路を降りずに通行した場合と同じ料金で利用することが可能です。

 ただし、ETC2.0を利用するためには、対応する車載器とカーナビやスマホなどの機器が必要です。

 また、ETC多目的利用サービスとしては、2021年に運用が始まった「ETCX」というものもあります。ETCGOと同様、有料道路や駐車場などに導入されています。

 ETCGOは、ドライバーと導入事業者のそれぞれに、メリットやデメリットがあります。

 例えばドライバー側は既存のETC車載器がそのまま利用できるほか、ETCXと比較しても事前の利用登録が不要な点がメリットです。

 しかし、従来のETCは料金所をノンストップで通行できるところ、ETCGOはゲートの手前で一旦停止し、決済後にゲートが開くのを待つ必要があります。また、現在(2023年12月)は使えるETCカードが「ダイナースクラブカード」に限られているため、ETC車載器があってもETCGOを利用できる人が限られるのもデメリットです。

 事業者側は、大掛かりな機器が必要ないため導入コストが低いことがメリットです。駐車場に導入した場合は、駐車券や領収証の発行といった維持管理も削減できます。また、料金所での非接触決済が可能となるため、感染症対策や人手不足の解消にも役立ちます。

 ただし料金所では一旦停止が必要なため、交通量が多いと渋滞につながる可能性があります。

 ETCGOは、従来のETCの仕組みを利用しながらも、通常のETCより少ない設備で構成されているため、導入や利用に少しずつ違いがあるようです。

 現在のところ使える施設や使えるカードが限られていますが、2024年3月からはイオン銀行発行のETCカードも対応が予定されています。今後、コインパーキングなど利用できる施設も増えてくるかもしれません。

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  1. SLK200です。

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