「ガソリン安くなる!」けど、ナゼやらない? 「トリガー条項」凍結解除を議論へ 具体的な課題は何なのか?
1年間トリガー条項の発動が続くと…国で1兆円程度の減収? その減少分の補填が課題?
仮に1年間トリガー条項の発動が続いた場合、国で1兆円程度、地方で5000億円程度の税収減少が見込まれており、その減少分をどのように補うのかという点も課題となっています。
しかし、2021年10月19日に株式会社第一生命経済研究所が公表した「トリガー条項発動のマクロインパクト」という資料では次のように分析しています。
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●トリガー条項を発動すると、ガソリン税だけでなく軽油引取税の引き下げを通じて家計や企業の税負担が軽減される。
●トリガー条項発動にともなう実質GDPの押し上げ効果は、1年間継続で1年目に+0.5兆円、2年目に+0.8兆円、3年目に+0.6兆円となる。
●トリガー条項の発動は、令和3年度予算をもとにすれば国と地方で年間1.5兆円以上の税収減少となるが、自然増収効果もあるため財政赤字は1年目-1.4兆円の拡大にとどまり、2年目+0.2兆円、3年目+0.1兆円の財政赤字縮小要因となる。
●トリガー条項の発動は、短期的な地方経済活性化策として検討に値する効果がある。
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このようにトリガー条項の発動がプラスの効果をもたらす可能性も示唆されています。
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自民党、公明党、国民民主党はトリガー条項の凍結解除をめぐり、実務者による協議を年内におこなう方針を示しています。
現時点でガソリンの補助金は2024年3月末に期限切れを迎える予定です。
政府には各種データ分析も参考にしつつ、スピード感のある議論が求められます。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。





















