「ガソリン安くなる!」けど、ナゼやらない? 「トリガー条項」凍結解除を議論へ 具体的な課題は何なのか?
2023年11月30日に自民党、公明党および国民民主党の3党の政策責任者は、ガソリン価格を一時的に安くする「トリガー条項」の凍結解除について実務者を交えて協議する方針を明らかにしました。
ガソリンが安くなる? 「トリガー条項」とは
ガソリン価格の高騰が続く中、ガソリン価格を一時的に安くする「トリガー条項」の凍結解除について議論されています。
では、トリガー条項とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。
経済産業省資源エネルギー庁が毎週公表している「石油製品価格調査」によると、2023年11月27日時点のレギュラーガソリンの店頭現金小売価格は1リットル当たり174円であり、3週連続で値上がりしました。
ガソリン価格の高騰は産油国であるサウジアラビアやロシアが原油の自主減産を発表していることや、円安によってガソリンの精製・輸入コストが上昇していることなどが影響しています。
これに対して政府は石油精製業者や石油輸入業者などに「燃料油価格激変緩和補助金」を出してガソリン価格を抑える対策を講じており、11月27日時点で174円のレギュラーガソリン価格は、補助金なしの場合198.3円にものぼります。
ガソリン価格の値動きに関しては今後も不透明な状況が予想されます。
そうした中、2023年11月30日に自民党、公明党および国民民主党の3党の政策責任者は、ガソリン価格を一時的に安くする「トリガー条項」の凍結解除について実務者を交えて協議する方針を明らかにしました。
では、この「トリガー条項」とは一体どのような仕組みなのでしょうか。また、どのような課題があるのでしょうか。
そもそもガソリンの小売価格は、ガソリンの本体価格にガソリン税と石油石炭税のほか、消費税10%を加えた金額であり、現在は補助金を引いた価格が店頭で表示されています。具体的にみると、ガソリン税は1リットルあたり53.8円、石油石炭税は2.8円となっています。
トリガー条項の「トリガー」は英語の「trigger」であり、「銃の引き金を引く」「事を起こす」といった意味から、ある一定の条件を満たしたときに発動される条項のことをいいます。
特に日本ではガソリン価格が高騰した際に、値上がりを止める仕組みとして2010年に民主党政権下で導入されました。
その内容としては、ガソリンの平均小売価格が3か月連続で160円を超えるとトリガー条項が発動し、ガソリン税53.8円のうち25.1円の課税免除、つまりガソリン価格が1リットル当たり約25円安くなります。
その一方、ガソリンの平均小売価格が3か月連続で130円を下回れば、再び元の税額に戻すという仕組みです。
このようにトリガー条項が発動すれば消費者にとって大きなメリットになるものの、実は2011年4月から現在までの間発動が凍結(停止)されています。
その理由は2011年3月に東日本大震災が発生し、復興財源を確保する必要があったためです。
その後トリガー条項の凍結解除を求める声は多数上がっていましたが、凍結解除には震災特例法の改正が必須であり時間を要すること、凍結を解除すればガソリンの買い控えなどで混乱を招くおそれがあることなどから見送られてきました。
さらにトリガー条項の発動により税収が減少することへの懸念も凍結が続く要因といえます。
そもそも復興財源が必要か?と言う話もあるわな。
ほぼ復興に必要な場所は復興が終わっているから、原発の解体に関しては復興財源を充てるのか?と言う疑問も起るし、そもそも企業に関しては3年だったかに早々に廃止しているしな。