「あれ?最近見ないね! 」 クルマの「ボンネットマスコット」なぜ減った? 漢字仕様もあった! 高級車の証が減少したワケ

ボンネットマスコットが似合うクルマが少なくなった?

 一方、ボンネットマスコットが減少している背景には、クルマのトレンドの問題も大きく関係しているようです。

 ボンネットマスコットのデザイン上のメリットとしては、大きなボンネットによってクルマ全体のシルエットが間延びするのを防ぐことが挙げられます。

 基本的に、ボンネットはその下に収まる機関部が大きくなればなるほど面積が大きくなります。

 そのなかでも、大排気量のエンジンを搭載したFRセダンは特にボンネットが大きくなりやすい傾向があります。

 しかし、エンジンのダウンサイジング化が進んだことやSUVなどの台頭によるセダン人気の低迷といった理由から、現在ではそもそも「大排気量のエンジンを搭載したFRセダン」自体がそれほど多くはありません。

 そのようななかでは、わずかに残っているFRセダンの多くが、セダンというボディタイプやその駆動形式を活かしたスポーティな走りをアピールするようになっています。

可倒式を採用するモデルでは現在でも採用されている
可倒式を採用するモデルでは現在でも採用されている

 ただ、高級車の象徴とされてきたボンネットマスコットはスポーティなイメージとは相性が悪く、スポーティセダンで採用されるケースはほとんどありません。

 ボンネットマスコット減少の主要因が法改正にあることは事実ですが、それとは別に、そもそもボンネットマスコットが映えるモデルが減少しつつあることも遠因にあるようです。

 とはいえ、ロールス・ロイス「ファントム」やベントレー「フライングスパー」、メルセデス・マイバッハ「Sクラス」などの超高級セダンでは、いまなおボンネットマスコットが象徴的な存在として重要視されていることは事実です。

 ボンネットマスコットを採用しているモデル自体は減少傾向にありますが、逆に言えば、ごく一部の超高級車だけのものになっていくことで、むしろボンネットマスコットの価値は高まっていくことになると考えられます。

※ ※ ※

 ボンネットマスコットが純正採用されていないモデルに対して、ボンネットマスコットを後付けするユーザーも一部には見られます。

 ただ、現在の保安基準ではボンネットマスコットの後付けは原則として認められておらず、違法改造となる可能性が濃厚であるため絶対にやめましょう。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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