「あれ?最近見ないね! 」 クルマの「ボンネットマスコット」なぜ減った? 漢字仕様もあった! 高級車の証が減少したワケ
高級車を象徴する存在となっていた「ボンネットマスコット」ですが、近年では採用しているモデルは減少しつつあります。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
ボンネットマスコットを採用しているモデルが減った理由
ボンネットの先端に取り付けられたオーナメント(装飾品)は「ボンネットマスコット」などと呼ばれ、高級車を象徴するひとつの要素となっていました。
近年では採用しているモデルは減少しつつあります。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
有名なものとしては、ロールス・ロイスの「スピリット・オブ・エクスタシー」やベントレーの「フライングB」、そしてメルセデス・ベンツの「スリーポインテッド・スター」などが挙げられるほか、国産車でも日産「シーマ」や「セドリック/グロリア」などで専用のボンネットマスコットが採用されていました。
一方、現在では、ボンネットマスコットを採用しているモデルはかつてに比べて大きく減少しています。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
その直接的な理由は、2001年に道路運送車両法の保安基準が改正されたことと大きく関係しています。
それによると、2009年1月1日以降に登録したクルマについて「外部には、衝突時又は接触時に歩行者等に傷害を与えるおそれのある形状、寸法、方向又は硬さを有するいかなる突起を有してはならない」と規定されています。
ボンネットマスコットはこの規定に触れる可能性があったことに加え、当時は自動車メーカー全体が歩行者保護に対する意識を高めていた時期でもありました。
さらに、日本における保安基準の改正は国際基準へ準拠することを目的としており、こうした流れは全世界的なものであったということができます。
ちなみに、日本の保安基準では「装飾部品は、格納、脱落又はたわんだ後に残った突出量が10mm以下でなければならない」とされているほか、「10daN(およそ10kgを荷重した状態)の力を加えた場合に、格納する、脱落する又はたわむものでなければならない」と規定されています。
逆に言えば、この基準を満たせば、現在でもボンネットマスコットを採用すること自体は可能です。
そのため、ただ、ロールス・ロイスやベントレー、メルセデス・ベンツなどでは、格納式や可倒式とするなどのさまざまな工夫を凝らして現在でもボンネットマスコットを採用しています。
ただ、全体で見れば、ボンネットマスコットを採用しているモデルが大きく減少しているのは間違いないようです。
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