なぜ地域によって「教習内容」違う? 学科は同じも「技能」は地域差あり! 自動車教習所「特別項目教習」設定の理由は?
自動車教習所では、一般的な技能教習以外にもその地域ならではの教習があります。どのようなものなのでしょうか。
教習内容が地域によって異なるって本当?
運転免許を取得する際、一般的には自動車教習所に入校し学科・技能の教習を受講します。このうち技能教習では指導員とともに教習車に乗り、運転操作について学びます。
実はこの技能教習は全国同じ内容ではなく、その地域ならではの特性を反映した内容になっているのです。どういうことなのでしょうか。
教習所で運転技能を学ぶ機会は、いわゆる技能教習と呼ばれ、AT限定コースなら31時限、MTも運転できる普通自動車なら34時限となっています。
これに、道路交通法を学ぶ学科教習が合計26時限となっているのが一般的です。
教習内容(特に学科)はおおむね全国で同じと法令で定められていますが、技能教習のなかには地域の特性を考慮した「特別項目」が設定されており、その内容は全国でかなり違っているといいます。
実際に、東京都内の教習所で指導員(教官)を務めていたI氏は以下のように話します。
「この特別項目は、その地域ならではの交通状況に応じて必要なスキルを覚えてもらうための教習です。
教習内容は各地域によって様々で、山間部が近い地域は、カーブの多い山道や長い下り坂でのエンジンブレーキの使い方、東京都心部では高速教習とは別に首都高の乗り方などをレクチャーするケースもあるようです」
このように特別項目は、地域であり得るシチュエーションを考慮した内容になっています。
たとえば、東京都心の教習所でも必ずしも「首都高の乗り方」に統一されているわけではなく、難易度が高いタワー式駐車場や立体式駐車場の駐車体験などもあります。
また場所によっては、あえて狭い道でのすれ違いを経験させたり、悪路を走行するケースもあるといいます。
これも教習所によっては実車を使うばかりでなく、シミュレーターで行う教習所もあるなど、ある程度は教習所の自主性に任されているようです。
「自分(I氏自身)の場合も、大型ショッピングセンターの立体駐車場内での走行の注意点や駐車する際の注意点などを教えた記憶があります。
また、自分が働いていた教習所は夜まで営業していたので特別項目扱いにはしていませんでしたが、夜間走行を行う教習所もあるそうです。
ロービームとハイビームの照射範囲の違いや、対向車が来た場合はどうすべきかなどを体験してもらうケースもあるようです。
要は、通常の技能教習では足りない、実際に走行する場合には覚えておいてほしい運転技能を教習できるプログラムですので、ぜひしっかり覚えてほしい教習となっています」(I氏)
首都高を走行中に教習車を見かけることもありますが、実は特別項目の教習かもしれません。
また、教習所内ですらビクビク運転している教習生にとって、狭い道幅のすれ違いはかなりのプレッシャーになると考えられますが、免許取得後に必ず遭遇するシチュエーションであり、教官に教えてもらえるうちに体験しておくのも良いのかもしれません。
所轄しているのは”公安委員会”。
これはそもそも都道府県になるわけで国会で決まる法律に関してはまだしも、差が全く出ない方がおかしいわな。