なぜ地域によって「教習内容」違う? 学科は同じも「技能」は地域差あり! 自動車教習所「特別項目教習」設定の理由は?
「北海道ドライバーは雪道運転がウマい」のも特別項目のおかげ?
また、北海道など降雪の多い地域では雪道走行をする教習所もあります。
東京都心部ではあまり意識しませんが、関東でも雪の多いエリアはありますし、北海道や東北、北陸などでは必須のシチュエーションともいえます。
積雪だけでなく、凍結した路面の感覚、車道にできてしまった轍(わだち)への対処法なども学ぶようです。
北海道釧路市で免許を取得し、実際に現在も釧路市に住んでいるというYさん(30代・女性)は以下のように話します。
「ずいぶん前なのでうろ覚えではありますが、夏は山道の走行、冬は雪道を想定した坂道発進を練習した記憶があります。
私が住んでいる釧路はあまり積雪にならない代わりに気温が低く路面が凍結しやすいので、凍結路の走り方などを教わった記憶があります」
Yさんの話では、夏はカーブやアップダウンが複雑に絡み合った山道、冬は凍結路や雪道での挙動の変化をレクチャーされたといいます。
ちなみに夏に免許を取得したあとでも、有償ながら補修講習として雪道走行を教わることができるのだそうです。
また教習所だけでなく、冬季の冬道講習(雪道走行)を体験させてくれる北海道のレンタカー会社も存在しています。
冬のツルツルした路面で急ブレーキをかけたときにABS(アンチロックブレーキシステム)がどのように作動するのかを体験できます。
実際、Yさんも「凍結路はクルマを動かすより止まるほうが難しい」と教習所で教わったのだそうです。
また、北海道には特有の道路事情も多く、教習ではこうした各地域特有の標示や標識についても学ぶ機会があるといいます。
たとえば、道路脇に建てられた下向きの矢羽根は道路と路肩の境界線を表しており、積雪などで見えなくなった路肩などの目安になるほか、ホワイトアウト(吹雪などで視界不良になること)時には進行方向の目印になるもので、豪雪地帯特有のものです。
Yさんの話では、このような標識に加えて、北海道では歩道の縁石が高めになっており、ぶつけたり乗り上げたりしないように注意が必要なことも教わったそうです。
このように、教習内容が地域によって大きく異なっている特別項目ですが、I氏によると卒検直前の第2段階の終わり近くで行われていると話します。
免許を取得する前にこうした体験をさせておくことで、免許取得後よりスムーズに一般道を走行できるようになるといいます。
すでに教習を忘れてしまったとしても、知らぬ間にきっと役に立っていることでしょう。
所轄しているのは”公安委員会”。
これはそもそも都道府県になるわけで国会で決まる法律に関してはまだしも、差が全く出ない方がおかしいわな。