「最も多い」交通違反って何?警察庁が発表した意外な結果とは… 全国一斉取締りを「通学路」で実施

通学路の「最高速度違反」はなぜ起きる?

 次に「最高速度違反」の検挙数が多いのは、通勤時間帯で急いでいるドライバーが多いことや、各警察で可搬式オービスを利用した取り締まりをおこなっている影響があると考えられます。

 可搬式オービスは白い箱に三脚が付いたような形状の機械であり、固定式オービスと違って自由に持ち運べるため狭い生活道路や通学路でも使用できるのが特徴です。

 警察では児童や学生の登下校時に、この可搬式オービスを通学路に設置して速度違反の取り締まりを強化しています。

 また「指定場所一時不停止等違反」や「横断歩行者等妨害等違反」についても、通学路で取り締まりを受けやすい違反といえます。

 なぜなら、通学路にはブロック塀で見通しが悪い交差点や信号機のない横断歩道などがあるケースも多く、子どもが交通事故に巻き込まれないよう取り締まる必要があるためです。

 さらに通学路に限った話ではないものの、2023年にJAFがおこなった「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」では、一時停止率が全国平均45.1%と半分以上のクルマが止まらない実態も明らかになっています。

 このような状況から、今後も横断歩行者妨害に対する厳しい取り締まりは続くものと予想されます。

通学路では児童や学生などが多く行き来することもあり、より一層の安全運転が求められる
通学路では児童や学生などが多く行き来することもあり、より一層の安全運転が求められる

 そして「座席ベルト装着義務違反」に関しては、「いつも大通りに入ってからシートベルトをする」「自宅から出発したばかりだった」などの理由でシートベルトを装着しないドライバーが一定数いることが影響していると考えられます。

 公道を走る以上は、交通量や場所に関係なく正しくシートベルトを装着しなければいけません。

※ ※ ※

 通学路では児童や学生などが多く行き来することもあり、歩行者との事故につながりやすい交通違反の取り締まりが重視される傾向にあります。

 また、子どもによる道路の飛び出しなども想定されるため、通学路ではより慎重な運転が求められます。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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