インドネシアで無双状態の三菱ふそう 小型トラックのキャンターが南国の地で売れに売れている理由とは
経済発展が著しいインドネシアでは、三菱ふそうのトラックが高い支持を集めていると言いますが、なぜなのでしょうか。そこで今回は、現地のトラック販売店を訪問し、インドネシアのトラック販売最前線を取材してきました。
東南アジア屈指のスケールを誇るインドネシア
近年、経済発展が著しい南洋の群島国家インドネシアは、リゾート地として有名なバリ島をはじめ、1万3000以上の島々から成る世界最大の島国です。人口は約2億7000万人、面積は日本の5倍という東南アジア屈指のスケールを誇ります。
首都ジャカルタはASEANの本部も置かれるなど、今や東南アジア地域の政治と経済の重要な拠点でもあります。ジャカルタ圏の人口は約3000万人にのぼります。
インドネシアの経済発展を支える「トラック」の存在
ジャカルタ圏の人口は、日本の首都圏に迫る規模で、中心部は新宿や大手町のような高層ビルが林立するなど、紛れもなく大都市の様相です。
一方で、ビジネス街以外のエリアは東南アジア独特の雰囲気を醸し出すダウンタウンが広がり、多くの屋台や個人経営の路面店、そして縦横無尽に行き交うバイクのクラクションに、エネルギッシュさを全身で感じることができます。
そんなインドネシアの経済発展を支えるのは農林水産業と資源輸出です。ジャカルタがあるジャワ島のほか、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島など、どれも日本の本州または北海道と同等の面積を持つ島々には、今も広大なジャングルが広がり、農業や資源輸出といった分野で生計を立てる人々が大勢います。
さて、そんな人々の仕事に欠かせないのが、運搬における必需品、トラック車両の存在です。
やっぱりスリーダイヤマーク
インドネシアで、古くからトラックの存在感を示してきたのが三菱ふそうです。三菱ふそうがインドネシアで販売を開始してから既に半世紀以上が経過しており、車両の性能はもちろん、三菱のロゴマーク(スリーダイヤ)に絶大な信頼とブランド力を感じる人たちが大勢いるのは確かです。
インドネシアでは日本車のシェアは9割を誇るほど、日本ブランドへの信頼と依存度は極めて高いです。その影響もありインドネシアのトラック市場を見ても、三菱ふそうは全体の約4割を占めるほどの人気ブランドです。中でも小型トラック分野では日本車が7割を占めており、こちらも三菱ふそうは5割を超えるシェアを誇ります。そしてその人気のトップを走るのが、今年で60周年を迎える小型トラックの「キャンター」です。
「キャンター」が人気を集める理由は、経済的に優しく、快適で、しかも頑丈で壊れにくい、という日本車ならではの評価はもちろんのこと、販売およびアフターサービス面でも日本式のサポートで充実しているからです。
そこで今回は、現地で輸入販売総代理店を担うクラマ・ユダ・ティガ・ベルリアン・モーターズ社(以下KTB)のサポートのもと、正規販売ディーラーを展開するスリカンディグループの店舗を訪問し、インドネシアのトラック販売最前線を取材してきました。
三菱=ゼロ戦