タクシーはなぜフェンダー? ドアミラーにはないメリット、デメリットとは
ドアミラーには「顔を動かすメリット」…?
――三和交通ではドアミラーのタクシーはないのでしょうか?
トヨタ「ヴェルファイア」や「カムリ」など、ドアミラーの一般車両をタクシーにしたものも一部あります。しかし、大多数を占める「クラウンセダン」や「コンフォート」などのタクシー用車両は、ドライバーの感覚を共通化する意味でもフェンダーミラーに統一しています。
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タクシー用車両の販売元はどのような見解なのでしょうか。東京トヨペット(東京都港区)によると、2016年度にタクシー各社へ販売したタクシー用車両約3000台のうち、オプションの電動ドアミラーが選ばれた割合は「限りなく0に近い」そうです。「ベテランのドライバーは、フェンダーミラーに慣れ親しんでいる」といいます。
その一方で、個人タクシーの場合はほとんどがタクシー用車両ではなく、一般車両をタクシー仕様にしているとのことで、東京トヨペットが2016年度に個人タクシー事業者へ販売した約500台のうち約95パーセントがドアミラー車だそうです。
先述の大和自動車交通における残り86台のドアミラー車は、そのほとんどが「プリウス」「アルファード」といった、一般車両をタクシー仕様にしたものだといいます。
「ドアミラー車を導入した当初は、見にくいのではないかと懸念しましたが、実際にドライバーからそのような声は聞かれませんでした。慣れもあるとは思いますが、見やすさという点ではフェンダーミラーと変わりなく、むしろドアミラーの場合は顔を動かすので、『巻き込み』の確認にもつながると思います」(大和自動車交通)
こうしたなか、各種タクシー用車両の製造、発売元であるトヨタは、2017年度内に発売予定の新型タクシー用車両を発表しており、「従来通りフェンダーミラーが標準仕様になっています」(三和交通)といいます。