タクシーはなぜフェンダー? ドアミラーにはないメリット、デメリットとは
国内乗用車のほとんどが「ドアミラー」であるなか、タクシー車両にはボンネット前方に据えた「フェンダーミラー」が多くみられます。どのような理由があるのでしょうか。
タクシー大手所有車の約9割がフェンダー
国内乗用車の大半がフロントドアに装着する「ドアミラー」をサイドミラーとして採用するなか、タクシー営業をしているクルマの多くは、ボンネット前方に設置した「フェンダーミラー」を採用しています。タクシー大手の大和自動車交通(東京都江東区)では、グループ会社の車両を除く649台中、実に563台がフェンダーミラーだといいます。
なぜ、タクシー営業をしているクルマにフェンダーミラー車が多いのでしょうか。同じく大手の三和交通(横浜市港北区)に聞きました。
――フェンダーミラーが多いのはなぜでしょうか? また、そのメリットを教えてください。
ドアミラーのようにドライバーの真横ではなく、前方にあるため視界に入りやすく死角も少ないためです。車幅の目安にもなり、細い路地を走行したり、前方のクルマとすれ違ったりする際の車体感覚をつかみやすくなります。プライベートではドアミラー車に乗っているドライバーでも、フェンダーミラーのほうが慣れれば安全だと考えています。
フェンダーミラーの導入は各社の任意です。当社で導入しているトヨタ「クラウンセダン」や「コンフォート」などのタクシー用に製造されたクルマは、フェンダーミラーを標準仕様にしていますが、オプションとして電動ドアミラーに変更することも可能です。
――反対にデメリットはどのようなところでしょうか?
昨今の国内自動車はサイドミラーが大型化していますが、それに比べるとミラーが小さいことや、雨などで濡れたときにすぐ拭けないことがデメリットと言えるでしょう。