迫力スゴっ! 公道に「戦車」が走ってる!? 日常的に“パンツァー”と出会える「戦車道」が九州にあった!
キャタピラにはゴムの緩衝材を装着し路面に配慮
やがて、轟音と履帯が地面を叩く振動が伝わって来ます。
玖珠駐屯地にいる「10式戦車」が続々と道の駅の前を通過していきました。
なかにはブルドーザーのように、ドーザーと呼ばれる装置を付けた戦車も来ます。
しかし玖珠町の方は見慣れた光景でもあるのでしょう。戦車道を普通にクルマや自転車で通過していきます。
たまたま向かい合わせになった場合は戦車が一旦停止し、クルマを通過させるなど配慮をしています。
10式戦車は全長9.42m、全幅3.24m、全高2.30m、重量約44トンと大迫力の大きさを持ちます。軽自動車と比較すると何倍も大きいのが分かります。
道幅はトラックが行き違えるような、一般的な片側1車線の道幅ですが、戦車とすれ違うには気をつかうため、戦車が一旦停止して一般車などを先にいかせるのも分かります。
水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジンから聞こえるエンジン音も勇ましく、再発進するときには唸りをあげて発進していきます。
意外と戦車同士の前後の間隔もそれほど開いておらず、次から次へと12両の戦車が通過していきます。
最後には「11式装軌車回収車」と呼ばれる、戦車が動かなくなった場合などに引き上げる回収車があり、この車両も一緒に移動していきました。
気がつけば、9時過ぎから15分から20分程度で、12両の戦車は道の駅の前をあっという間に通過していきました。
戦車とはいえ、一般公道を走るためには普通のクルマと同じような装備が必要です。
そのためナンバープレートに相当する表記を行ったうえで、ヘッドライト、ウインカー、そして取り外し可能なミラーを装着しています。
また戦車の運転席は狭く視界も悪いため、操縦手は頭を外に出して周囲を警戒しながら操縦しているのが分かります。
戦車のキャタピラは左右別々に動かせるため、器用に左右差を作り上げてコーナーを曲がっていくのを見ていると、操縦は難しいのだろうと想像できます。
戦車が通る道は、重量44トンに耐えられるようにコンクリート製になっています。
さらに戦車の履帯にはゴム製の緩衝材が装着され、路面を痛めないようにされています。
実際に玖珠駐屯地から日出生台演習場へ向かう戦車道をクルマで走ってみました。
玖珠駐屯地から日出生台演習場への入口方面までは約7kmほど。
コンクリート製かつ戦車が通ったことで多少傷んでいることもあり、かなりガタガタした道になっています。
10式戦車は最高時速70キロまで出ると言われていますが、戦車道ではおよそ時速10キロから20キロ程度の低い速度で走っているようです。
そのほか、自衛隊所属の輸送トラックなども一緒に移動した最後に、スイーパーと呼ばれる道路の掃除車両が路面のゴミを回収しながら通過していきました。
※ ※ ※
戦車道には桜並木のところもあり、桜が咲く頃には戦車と桜のコラボレーションも見られそうです。
一般道を戦車と共に走れる戦車道は、戦車の迫力を感じられる貴重な場所でした。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。