「クラウンはオジサン向け」は過去の話? スポーティなトヨタ新型SUV「クラウンスポーツ」若者にウケる?
トヨタ「クラウンシリーズ」として、SUVタイプの新型「クラウンスポーツ」が発表されました。クラウンといえばユーザーの年齢層が高めのモデルですが、新たにSUVを投入することで、若者の購入者も増えるのでしょうか。
クラウンシリーズに新型SUV登場!
トヨタ「クラウンシリーズ」(16代目)の第2弾として、新型「クラウンスポーツ」が2023年10月6日に発表されました。
クラウンシリーズは4つのタイプの展開が予定されていますが、「新しいカタチのスポーツSUV」と表現されたクラウンスポーツは、シリーズ中もっとも若年層をターゲットにしたモデルと言えるでしょう。
では、新型クラウンスポーツのどのような部分が若者ウケしそうなのでしょうか。
一番のポイントは、何といってもエクステリアデザインです。シンプルを基盤としながら、圧倒的な美しさにこだわった新型クラウンスポーツのエクステリアデザインは、正に新しいカタチのスポーツSUVを体現しています。
大きく張り出したリアフェンダーは低重心な印象と存在感を際立たせていますし、何よりスポーティな走りを予感させます。
また、薄型で個性的な形状のデイランプを備えたシャープなフロントマスクは、新型クラウンスポーツのワイド&ローなイメージを際立たせると同時に精巧な表情を実現しています。
新型クラウンスポーツに関して、「カッコいい」という評判がSNSでも多く見受けられますが、デザインだけで見れば若者受けは良さそうな印象です。
20代、30代の購入比率が高いトヨタのSUVとして「RAV4」が挙げられますが、RAV4ユーザーの購入動機をディーラーマンに聞いてみると「デザインが好みだからという理由が一番多い」とのこと。
美しくてカッコいい新型クラウンスポーツを、デザインを理由に購入するという若者は存在しそうな予感がします。
車両価格は590万円と決して安くはないですが、各種装備や質感、先進的なメカニズムなどを考えれば高すぎるという印象はしない価格設定となっています。
もちろん、若者が気軽に買える値段ではないですが、「頑張って買おう!」と思わせてくれる価格と言えそうです。
20代、30代の購入者が多いということはないかと思いますが、クラウンシリーズのなかではもっとも若年層の比率が高いモデルになるかもしれません。
そして、新型クラウンスポーツが若者に受けるか否かの最大の課題は、「クラウン」という車種名とトヨタグループ内のライバルの存在ではないでしょうか。
近年、モデルチェンジのたびに若返りを目指してきたクラウンですが、それは裏を返せば「クラウンは高い年齢層向けのクルマ」というイメージが付いてしまっているから。若者はそんなイメージに敏感な生き物ですから、イメージの刷新は必要でしょう。
さらに、「オシャレで高級感のあるSUV」というイメージはトヨタ「ハリアー」が確固たる地位を確立しています。
価格設定や採用されたメカニズムを考えれば、新型クラウンスポーツの方が存在も中身も上級であることは確かですが、価格に対して得られる分かりやすい高級感だけで言えば、ハリアーの方がコストパフォーマンスが高いと思う若者は多いことでしょう。
さらに、都会にマッチするオンロードSUVというジャンルは、すでにハリアーが切り開いてきたもの。それだけに単純にオシャレなブランドイメージだけで言えばハリアーの方に優位性があります。
そして同価格帯ではレクサス「NX」などもライバルになると言えます。高級感はもちろんですが、先進的で“イマドキ”なイメージと言えばクラウンよりもレクサスブランドに軍配が上がると言えるでしょう。
※ ※ ※
トヨタはクラウンブランド専門店「THE CROWN」を新たにオープンするなど、これまでのクラウンのイメージから脱却しようという戦略も見られます。
新型クラウンスポーツが若者受けするかどうかは、これまでの伝統を継承しつつも、いかにして「クラウンってオシャレ」「クラウンに乗るのってイケてる」という新たな価値観を生み出せるかにかかっているのではないでしょうか。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。