ダイハツが次期「コペン」世界初公開へ! “脱軽自動車”は間違いない!? 1.3Lエンジン搭載&デカボディ化の狙いは?

次期コペンは海外展開&ロードスターの対抗馬に?

 ただし、次期コペンが軽自動車規格を超えることは決して驚くべきことではありません。

 軽自動車は日本独自の規格であり、日本のユーザーに最適化されたクルマです。

 その結果、現在日本の新車販売台数における軽自動車比率はおよそ4割にもおよびますが、そのほとんどは実用車であり、コペンのような趣味性の高いクルマはごくわずか。

 実際、ダイハツとトヨタを合わせたコペンの販売台数は年間5000台程度にとどまっており、売れ筋モデルの「タント」や「ムーヴ」の10分の1以下となっています。

ダイハツ新型「ビジョン コペン」
ダイハツ新型「ビジョン コペン」

 薄利多売とならざるを得ない軽自動車において、年間5000台程度の販売台数ではじゅうぶんな利益が見込めません。そうなると、海外での販売も視野に入れる必要があります。

 コペンのようなライトウェイトスポーツカーは海外でも高い人気があり、実際に歴代コペンでは1.3リッターエンジンを搭載する輸出専用モデルがイギリスやオーストラリア、インドネシアなどで販売された実績があります。

 つまり、海外市場での展開を主軸に置くと、ボディの拡大化と排気量の増加は必要不可欠であると言えます。

 逆に言えば、海外でも販売されるようになると、これまでよりも多くの台数が生産されることになります。

 一般的に、クルマのような工業製品は、大量生産すればするほど1台あたりのコストを抑えることができ、次期コペンがグローバルモデルとなって生産台数が大きく増えると、さらにコストパフォーマンスの高いモデルとなることが考えられます。

 大型化した次期コペンのライバルになると考えられるのは、やはり国産ライトウェイトスポーツカーの金字塔であるマツダ「ロードスター」です。

 現行モデルとなる4代目ロードスターは、グローバルにおける年間販売台数が3万台程度と、コペンのおよそ6倍の数を誇ります。

 また、国内外の主要自動車メーカーにはロードスターと競合するモデルがほとんどなく、このカテゴリーを独走している状態です。

 そのなかで、次期コペンがロードスターの対抗馬となることには大きな意味があると言えそうです。

 さらに、ロードスターの販売台数のほとんどは日欧米に偏っており、ダイハツが得意とする東南アジア市場ではほとんど販売されていません。

 こうした背景を考えると、次期コペンが軽自動車規格を超えるメリットは非常に多くあると言えそうです。

※ ※ ※

 コペンの大型化の背景には、年々厳格化される規制への対応という側面もあるでしょう。

 日本では、2025年から軽自動車を含むすべてのクルマに衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務付けられるほか、側面衝突基準なども今後さらに厳しくなる見込みです。

 そうした各種法規制への対応が現状の軽自動車規格では難しいことも、ボディの大型化の要因のひとつと言われています。

 実際、コペンとライバル関係にあったホンダ「S660」が2022年に生産終了となったのは、各種法規制への対応が難しかったことが大きな要因とされています。

 一方、ダイハツはかねてからコペンの生産を継続する意志を表明してきました。

 そういった意味では、ボディの大型化はコペンが生き残るために必要不可欠なことだと言えそうです。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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