「えっ…!」マツダ「RX-9」“45年以上前”にあった!? しかも「高級セダン」!? 謎のロータリー搭載モデルとは
マツダのロータリーエンジン(RE)を積んだクルマといえば「RX-7」「RX-8」が有名ですが、実は過去、すでに「RX-9」が存在しました。しかもそれはスポーツカーではありませんでした。どのようなクルマだったのでしょうか。
高まる「RX-9」登場への期待
1957年にドイツのヴァンケル社が開発し、「夢のエンジン」としてさまざまな自動車メーカーが注目したロータリーエンジン(以下RE)は、マツダのみが量産化に成功。1967年登場の「コスモスポーツ」に初搭載されました。
以降、マツダの各モデルに積まれ、マツダが目指すREの拡大施策「ロータリゼーション(造語)」を推進しました。REは、まさにマツダの象徴とも言える存在となりました。
しかし2012年に「RX-8」の生産が終了。RE復活が渇望される中、2015年の東京モーターショーにはRE搭載クーペのコンセプトカー「RX-VISION」が展示され、REスポーツカー“RX-9”の発売に期待が高まりました。
その後、現在に至るまで“RX-9”は現れていませんが、2023年9月には、新開発の1ローターRE「8C」型を発電用に用いたプラグインハイブリッド車「マツダMX-30ロータリーEV」がデビュー。マツダがREに賭ける熱い思いを感じさせました。開発中という噂が常に立つ“RX-9”も、いよいよ出現する時が近づいているのかもしれません。
「RX-9」は、まさかの高級セダン「ルーチェ」
そんな登場に期待がかかる“RX-9”なのですが、実はすでに同車名を関したクルマが存在していました。しかも登場は1977年と、今から45年以上も前の話です。さらに、このRX-9は“スポーツカー”ではなく、“セダン”だったのですから驚きです。
そのセダンの名は、「ルーチェ」。1966年から5世代が販売されたマツダのフラッグシップモデルです。1991年にデビューした「センティア」に後を譲り、1995年に消滅しましたが、今でもマツダの高級車といえば、ルーチェを思い浮かぶ人も多いことでしょう。全世代でREを積んでいたのも、マツダの旗艦モデルらしいところです。
早くから欧州市場で販路を作っていたマツダは、1972年の2代目ルーチェにおいても例外ではありませんでした。その際、初めて海外名「929」が付与されました。929の名は、5代目ルーチェまで、さらに初代・2代目センティアでも名乗っていました。
そしてRX-9は、日本での3代目ルーチェ(1977年〜1988年)、海外での2代目929のRE搭載モデルとして生まれました。REは573cc×2の「12A」と、654cc×2「13B」型の両方を用意。日本仕様の最高出力は、それぞれ125ps・135psでした。
3代目ルーチェといえば、上下に矩形ライトを重ねた特徴的なマスクや重厚なスタイルが特徴で、当初は「ルーチェ・レガート」と称していましたが、1979年のマイナーチェンジで横長グリルに変更され、車名もルーチェに戻りました。
2代目929は、海外市場においても最上位車種でしたが、REを載せるRX-9は、さらに高性能・高級なモデルというイメージが持たされていたといいます。
前述の通り、ルーチェは全世代でREが採用されていましたが、929では、4代目ルーチェにあたる3代目から、レシプロエンジンのみが積まれるようになったため、RX-9の名前は一代のみで終了してしまいました。
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