なぜクルマのタイヤは「黒色」ばかり? 白線入りはあるけど… 色が決まる理由とは
タイヤといえば黒が基本であり、もはやそれは常識となっています。しかし、なぜタイヤは黒ばかりなのでしょうか。他の色を選択することはできないのでしょうか。
昔は白かった!? タイヤが黒色になった理由とは?
道路を走っているクルマたちに目をやると、どのクルマも黒いタイヤを履いていて、それ以外の色はまったく見当たりません。
タイヤの色といえば「黒」という認識が当たり前となっていますが、そもそもなぜタイヤの色は黒いのでしょうか。
現在、公道を走っているクルマのほとんどには黒い色のタイヤを装着しています。
まれにタイヤの側面が白いホワイトウォールタイヤや側面に白いラインが入っているホワイトリボンタイヤなどを装着している光景を見ますが、ベースの色は黒い色のことがほとんどです。
しかし、昔はタイヤの色は白色や飴色でした。これは、タイヤに使用されている天然ゴムの色が白色だからです。
しかし、その当時のゴム製のタイヤでは耐久性に難があったことから、1912年に天然ゴムとカーボンブラックを混ぜて強度を向上させた黒タイヤが誕生しました。
タイヤに使われる素材について、ブリヂストンの担当者は次のように話します。
「タイヤが黒いのは、使われるゴムにカーボンブラックと呼ばれる黒い炭素の粒が含まれているからです。
カーボンブラックを加えることで、ゴムの強度が飛躍的に向上し、タイヤとしての性能を発揮できるようになります」
こおnカーボンブラックは、炭素でできた微粒子のことで、油やガスを不完全燃焼したり、熱分解法などによって製造されています。
黒色顔料やマスカラ、トナーなど、タイヤ以外にもさまざまな用途に使用されています。
ゴム製品の多くは、加硫と呼ばれる、生ゴムに硫黄を混ぜて加熱する方法によって強度を高めていますが、クルマのタイヤには多大な負担がかかるため、それだけでは強度が足りません。
そこでカーボンブラックを使用することにより、強度や耐摩耗性の上昇、グリップ向上に飛躍的な効果がもたらされました。
タイヤの強度を上げるためにカーボンブラックが使用されるようになった結果、現在の黒いタイヤが誕生したのです。
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