“グリーン”の新型「ジムニー5ドア」初公開! 待望の「スズキSUV」販売地域拡大に期待? 日本導入は現実的なのか
新型ジムニー5ドア導入の望みは薄い?
ジムニーシエラのフルモデルチェンジ翌年の2019年の年間販売ランキングを見ると、販売台数1万0827台で47位。翌2020年は1万6603台で39位。2021年は1万3903台で38位。2022年は1万7820台で30位。2023年の1~6月上半期は1万3522台の28位。なんと、47位、39位、38位、30位、そして28位と、ジワジワと順位を上げているのです。
ちなみに、軽自動車のジムニーは、2019年の販売が3万0281台で13位。2020年は3万8056台で13位。2021年は3万9422台で9位。2022年は4万1405台で13位。2023年1~6月は2万0110台で10位。こちらも、少しずつではありますが販売を伸ばしています。

「これだけ好調なら、日本導入はできる!」と、ジムニーファンなら思うかもしれません。しかし、もう少し目線を上げてみれば、また違った景色が見えてきます。
それが強力なライバルの存在です。ジムニーシエラは、他の類を見ない本格オフローダーです。でも、日本国内でのユーザーの使用は、ほとんどが街中のはず。
そこでライバルとなるのは、同じ寸法のSUVたち。具体的に言えば、トヨタの「ヤリスクロス」、そして「ライズ」とダイハツ「ロッキー」の兄弟車です。
これらライバルの販売はどうなのでしょうか。直近の2023年1~6月の販売実績を見ると、「ライズ」は3万3233台、「ロッキー」は9589台を販売しています。「ヤリスクロス」は、販売実績がハッチバックの「ヤリス」と統合されて発表されているため詳細は不明ですが、「ヤリス」の半数ほどではないでしょうか。
そして「ヤリス」の販売数は、なんと9万7421台もあるのです。その半分だとして4万87105台、3分の1でも3万2500台ほどは売れているのです。
それに対してジムニーシエラの販売は1万3522台。これはまた、絶妙な数字。
ヤリスクロスとライズには敵わないけれど、ダイハツのロッキーよりも上。また、ジムニーシエラは、爆発的には売れていませんが、堅実に少しずつ売上を伸ばしているという状況です。
「結構よいけれど、ライバルはもっとすごい」というわけです。
過去にスプラッシュやバレーノの撤退という経験があるのであれば、もっと売れる確証が欲しいと感じるかもしれません。
そういう意味で、ジムニー5ドアを導入するのは、なかなかに難しい判断なのではないでしょうか。
どちらにせよ、ジムニー5ドアの日本導入は、市場からのラブコールがなければ実現はありません。導入前段階での歓迎ムードとなれば、ジャパンモビリティショー(旧・東京モーターショー)や東京オートサロンでのお披露目は必須となります。
つまり、ジムニーシエラの日本導入は、そうした国内向けイベントでの顔出しから始まるのではないでしょうか。
そういう意味で、2023年10月下旬に開催されるジャパンモビリティショーや、来年年明けの東京オートサロンのスズキのブースに期待しましょう。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。






















































































