なぜスバルはいま「都市型SUV」を発表した? 新型「レイバック」で企業イメージ変わるか 第4のSUV投入の狙いとは
スバルからまもなく発売される新型SUV「レイバック」は、「都市型SUV」であるという点で、スバルの既存のSUVとは大きく異なる性格を持っています。なぜ、スバルはこのタイミングで新たなSUVを投入してきたのでしょうか。
「都市型SUV」のレイバックは誰がターゲット?
2023年9月7日、スバルは新型SUV「レイバック」の先行予約を開始しました。
なぜ、スバルはこのタイミングで新たなSUVを投入してきたのでしょうか。
レイバックは、スバルのステーションワゴンである「レヴォーグ」をベースとしたSUVであり、「アウトバック」や「クロストレック」、そして「フォレスター」に加わる第4のSUVとなります。
SUVが全盛の昨今では、ラインナップに多くのSUVを持ちたいとスバルが考えるのはごく自然なことです。
さらに、そのベースとなるのが国内専用車のレヴォーグであるという点も、非常に合理的な判断と言えます。
一方、スバルはレイバックを「都市型SUV」と表現しています。
これまでのスバルのSUVは、アウトドア志向の「ラギッド(無骨)」なイメージが強く、むしろそうした点がユーザーから高く評価されてきました。
にもかかわらず、なぜレイバックは「都市型SUV」としての性格が強調されているのでしょうか。
この点については、スバルの持つ事業構造が大きく関わっているようです。
スバルが日本の自動車メーカーであることは言うまでもありませんが、2023年度にグローバルで販売した85万2000台の新車のうち、日本市場で販売されたのはわずか10万台程度にすぎません。
スバルは、全販売台数のおよそ70%にあたる59万2000台を米国で販売しており、日本の自動車メーカーのなかでも飛び抜けて米国依存率の高い事業構造となっています。
そうした背景のなかでは、米国のユーザーのニーズを優先したクルマづくりをせざるを得ません。
スバルのSUVが「ラギッド」なイメージが強いのも、米国のユーザーがそれを求めているためと言っても過言ではありません。
そして、スバルの既存のSUVであるアウトバックやクロストレック、フォレスターはいずれも米国でも販売されているモデルです。
そういった意味では「日本のユーザーのためだけのモデル」とは言えず、日本市場のニーズに合わせたモデルが求められていました。
日本のユーザーがSUVに求めているものは、必ずしも「ラギッド」なイメージではありません。
その証拠に、売れ筋のSUVであるトヨタ「ヤリスクロス」「カローラクロス」「ハリアー」やホンダ「ZR-V」「ヴェゼル」、マツダ「CX-5」などは、いずれも都市型SUVの印象の強いモデルです。
つまり、これまで「ラギッド」なSUVしかラインナップしていなかったスバルにとって、都市型SUVは新たなユーザーを獲得するために必要不可欠な存在だったと言えます。
都市型?都市の駐車場1550mm制限に適さないただの田舎型の間違いだろ